菅島(すがしま)
菅
島は、
三重県鳥羽市の沖合、
伊勢湾の入り口に位置する長い形の有人
島です。この
島の住所は「
鳥羽市菅
島町」であり、郵便番号は517-0004です。
2010年時点での
人口は689人、
面積は約4.52平方
キロメートルで、同県内では答志
島に次いで
人口と
面積の両方で第2位を誇ります。特に、海女の多い
地域として有名で、
島内には相差と呼ばれる
地域や志摩町和具も同様に海女文化が根付いています。また、かつて存在した菅
島村についても言及されます。
地理的特徴
本土の
鳥羽市から東へ約3kmの距離にある菅
島は、北側に答志
島、西側に
坂手島、北西側には神
島があります。これらの
島々と
志摩市の渡鹿野
島と間崎
島を合わせて、志摩諸
島と呼ばれる離
島振興法に基づく
地域が形成されています。
島と本土との間には加布良古水道があり、最も狭い部分では菅
島と誓願
島が接しています。また、菅
島と答志
島を隔てる菅
島水道は、周囲に多くの険礁があります。
島内は平坦な場所が限られ、
集落は菅
島漁港近くの北東岸に点在しています。伝承によると、最初の
集落は笹谷に形成されましたが、疫病により移転し、さらには津波被害からも逃れるために現在の位置に移ったと言われています。このため、現在の
集落は中村、正村、根村といった場所に分かれています。
主な地形:
- - 山: 大山(236m)
- - 岬: 白崎、亀子鼻、黒崎(長崎鼻)
歴史的背景
菅
島における人々の居住は
古代に遡り、縄文時代や弥生時代の遺物が福浦で発見されています。
中世においてもこの
島は歌に詠まれるなど歴史に名を刻んできました。
鎌倉時代には、
順徳天皇や
西行法師が菅
島に関する歌を詠むほどの名声を持っていました。
菅
島にはかつて
伊勢神宮の
御厨が存在し、時の志摩13
地頭の一人が
島を治めていたため、さまざまな歴史的事件にも関わっていました。
江戸時代には、
島は菅
島村として地元藩の管理下にあり、
漁業を中心とした生活が営まれていました。1873年には洋式の菅
島灯台が建立され、その後も
灯台は重要な地元のシンボルとして残っています。
生活と経済
今日の菅
島は、
漁業を基盤にした
地域経済が主で、特に
サメのたれ、
イセエビ干物、干しワカメが特産品として知られています。しかし、
人口減少が顕著で、2005年から
2010年にかけての
人口減少率は16.8%にも達しました。
交通は、主に鳥羽本土との定期船によって行われ、
島内には
公共交通機関はほとんどないため、
自転車や
漁船が多く利用されています。また、医療施設や教育機関も設置されており、診療所には常勤医師が在籍しています。
環境問題と採石場の影響
島の西部にある採石場があり、かんらん岩が採取されていますが、
地域の
環境に対する影響が懸念されています。市議会では採石業者に対し緑化計画を進めさせる動きがあり、景観保護と地元経済の両立が求められています。この問題は
島の将来において重要な課題となっています。
伝統文化と祭り
菅
島では、毎年海女の祭典「しろんご祭り」が開催され、海女たちが
アワビを獲る競技が行われます。これは地元の伝統文化を支える重要なイベントで、
地域の人々に親しまれています。
菅
島は歴史と文化、自然が融合した独特の
地域であり、訪れる人々にとって魅力的なスポットとなっています。今後も
島の文化や自然を大切に引き継いでいくことが求められています。