名古屋大学太陽地球環境研究所

名古屋大学太陽地球環境研究所

名古屋大学太陽地球環境研究所（略称：STE研）は、愛知県名古屋市に位置する総合研究施設で、太陽から地球にかけての環境変動についての研究が行われています。この研究所は、太陽のエネルギー放射が地球環境に与える影響を探求することに特化しており、全国共同利用研究所としても知られています。

沿革

名古屋大学太陽地球環境研究所の前身は、1949年に設立された名古屋大学空電研究所です。この研究所は、金原淳教授の指導のもと、雷放電に伴う電波の研究が行われていました。特に、航空機の無線通信への影響が重要視されており、終戦直後には米軍からも研究の要請があったと言われています。1958年には名古屋大学理学部附属の宇宙線望遠鏡研究施設が設立され、これが後の研究所の基盤となりました。

1988年には、空電研究所の一部門である太陽電波部門が国立天文台に移管され、その後1990年には理学部附属宇宙線望遠鏡研究施設と統合され、現在の名古屋大学太陽地球環境研究所が設立されました。そして、2015年に地球水循環研究センターおよび年代測定総合研究センターとの統合を経て、名前も名古屋大学宇宙地球環境研究所に改称されています。

所在地と施設

名古屋大学太陽地球環境研究所の本部は東山キャンパスに位置しており、豊川キャンパスには太陽風観測施設が設置されています。さらに、全国に複数の観測所が存在し、各地でさまざまな観測活動が行われています。

観測所の概要

• - 母子里観測所（北海道雨竜郡）：大気分光観測、低緯度オーロラ観測、地磁気変動観測
• - 陸別観測所（北海道足寄郡）：大気分光観測、低緯度オーロラ・大気光観測、電離圏レーダー観測
• - 富士観測所（山梨県）：太陽風観測
• - 菅平観測施設（長野県上田市）：太陽風観測
• - 木曽観測施設（長野県木曽郡）：太陽風観測
• - 鹿児島観測所（鹿児島県）：大気光観測、地磁気変動観測

これらの観測施設は無人で運用されており、太陽地球環境研究所内から遠隔でモニタリングできます。

教育活動

名古屋大学の理学部や工学部の学生に対し、研究所内で学部教育や大学院教育が行われています。また、研究所は20の国内外の研究機関と学術交流協定を結び、国際的な研究のネットワークを形成しています。

交流機関の一例

• - インドネシア国立航空宇宙研究所
• - アラスカ大学地球物理研究所
• - スウェーデン宇宙物理研究所
• - マサチューセッツ工科大学ヘイスタック研究所

名古屋大学太陽地球環境研究所は、その専門的な研究と広範な交流によって地球と太陽の相互作用についての理解を深め、未来の地球環境に貢献することを目指しています。

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