インドネシア国立航空宇宙研究所

インドネシア国立航空宇宙研究所（LAPAN、Lembaga Penerbangan dan Antariksa Nasional）は、1964年11月27日にスハルト大統領によって設立されたインドネシアの宇宙機関です。国家航空宇宙会議（DEPANRI）の諮問を受け、研究技術省と連携しながら、大統領直轄の研究所として活動しています。LAPANは、リモートセンシング衛星データの利用と上層大気に関する研究開発を主要な活動としており、過去20年以上にわたり、主にパラパ衛星を含む通信衛星の運用を行ってきました。

歴史

インドネシアの宇宙開発は、1962年5月31日にジュアンダ首相によって宇宙航空委員会が設立されたことから始まりました。同年9月22日には、インドネシア空軍（AURI）とバンドン工科大学の協力により、初期の科学・軍事ロケット計画であるPRIMA計画がスタートしました。この計画では、カルティア（Kartika）ロケットシリーズとテレメトリー兵器が開発・打ち上げられました。

1963年、2年間の非公式なプロジェクトを経て、大統領令第236号によりインドネシア国立航空宇宙研究所が正式に設立されました。

人工衛星

LAPANは、パラパ静止通信衛星シリーズをはじめとする人工衛星の開発・運用に取り組んでいます。特に注目されるのは、小型衛星の開発です。LAPAN-TUBSAT（LAPAN-A1）は、ドイツのベルリン工科大学と共同で開発され、2007年にインドのロケットで打ち上げられました。この衛星は地球観測を目的としており、2015年には、後継機であるLAPAN-A2とLAPAN-A3の打ち上げも計画されました。

ロケット

LAPANは、ロケット開発にも力を入れています。RXシリーズは、その代表的なロケットシリーズです。現在、衛星打ち上げ機であるRPS-420の開発も進められています。また、パームングプークには発射施設が設けられています。

国際協力

LAPANは国際協力にも積極的に取り組んでいます。1965年には、太陽活動小期観測年（IQSY）のために日本から輸入したカッパロケット10基を発射しましたが、発射記録が3機のみで7機が不明となり、隣国マレーシアから軍事利用の疑いを指摘されるという事態も発生しました。しかし、その後、2006年12月にはロシア連邦と、2008年10月にはウクライナと宇宙空間の平和利用探査に関する協力協定を締結し、アジア太平洋宇宙協力機構にも加盟しています。また、ビアク島にはインドのロケットであるGSLVの追跡局が設置されており、国際的な連携を進めています。

LAPANは、インドネシアの宇宙開発を牽引する重要な機関であり、今後も国内外の協力を得ながら、宇宙技術の発展に貢献していくことが期待されています。

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