名古屋市交通局1050形電車

名古屋市交通局1050形電車について

名古屋市交通局1050形電車は、1943年に名古屋市交通局のために製造された市電用の路面電車です。この車両は、老朽化が進んでいたSB形電車やMB形電車を置き換える目的で導入されました。製造には日本車輌製造が関与し、1400形電車と同様の車体が使用されています。実際に製造されたのは20両で、これらはSB形の1001から1015編成およびMB形の1101から1105編成を改造したものでした。

製造開始当初の1050形電車は、SB形電車の台車と機器を流用する形で作られ、高床車という設計が特徴でした。しかし、戦後の数回にわたって機器や台車が交換されることがありました。中古パーツを使用していたため、他の車両と比較すると運行時の騒音が大きく感じられることもありました。

車両の仕様

基本データ

• - 車体長: 11950mm
• - 車幅: 2334mm
• - 車高: 3595mm
• - 定員: 90人
• - 自重: 14.5t（1051~1065）、15.3t（1066~1070）
• - 製造両数: 20
• - 台車: 40PS（29.4kw）または50PS（36.8kW）
• - 電動機: 37kw × 2

- ブリル76E（1051 - 1065）
- ブリル76E2の類似コピー品（1066 - 1070）

5050形電車の運行は1967年から徐々に終了し、1968年8月には全車が廃車となりました。このように、1050形電車は短い運行歴ではありましたが、その存在は名古屋市の街並みの中で貴重な役割を果たしていました。それまでの古い車両に代わる新しい運行形式として、多くの市民に利用され愛されてきた存在でした。

現在では名古屋の市電はさまざまな進化を遂げていますが、1050形電車の歴史は今もなお市民の記憶に残っています。日本の公共交通の発展を支えたこれらの車両の軌跡を知ることは、名古屋市における路面電車の過去を考えるうえで重要です。

参考文献

名古屋市の市電とその周辺の文化については、以下の文献に詳しい情報が記載されています。

• - 日本路面電車同好会名古屋支部編著 『名古屋の市電と街並み』 トンボ出版、1997年

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