名古屋市交通局5050形電車

名古屋市交通局5050形電車

名古屋市交通局5050形電車は、1992年に登場した名古屋市営地下鉄・東山線専用の通勤形電車です。この電車は、冷房化を進めるために導入され、300形や250形からの置き換えとして1992年から2000年にかけて合計162両が製造されました。基本設計は、同じ名古屋市交通局の名城線や名港線で運行されている2000形と共通しています。そのため、コストを抑えることが可能になりました。

製造と設計

5050形電車は全て日本車輌製造で製造されており、日立製作所が手掛けた名城線の2000形とは異なります。初期の保安装置は打子式ATSでしたが、現在は最新のCS-ATCに更新されており、これにより車内信号式ATCによる運転が行われています。2015年からはATOによる自動運転も導入され、2017年からは車掌なしのワンマン運転が実施されています。

車両の特徴

5050形はオールステンレス製の車体を持ち、腰部に黄帯と白帯のラインが入ったデザインが特徴です。側面の形状は名城線・名港線の2000形と似ていますが、前面は5000形に近い形状となっています。2021年から2022年にかけて、一部の車両の前照灯がLEDに変更され、視認性が向上しました。

車内デザイン

車内は明るく開放的で、白系の化粧板で仕上げられています。赤橙色のモケットを使用したバケットシートは45人が座れる設計となっており、5155編成まではポリウレタン素材、5156編成以降はポリエステル素材へと変更されました。座面の形状や厚さも改良されています。全座席の上部には荷物棚が設置され、5153編成までは丸パイプが使用されていましたが、5154編成以降は名城線の2000形に似た形状に変更され、よりスタイリッシュになりました。

5050形も初めて車椅子スペースが設けられている特徴があります。車内にはLED式の案内表示器が設置され、5158編成以降はより多くの情報を提供する路線図表示器が客用ドアの上部に配置されています。また、優先席前のつり革も交換され、利用者への配慮がなされています。

設備と機能

この電車は各車両に2台の冷房装置を搭載しており、GTO-VVVFインバータ制御が採用されています。制御装置は3号車と4号車に設置され、1台のインバータによって8台のモーターを制御する方式が取られています。補助電源装置は三菱電機製の静止形三相インバータです。さらに、台車には日車製のボルスタレス式空気ばね台車が使用されています。

2015年以降、可動式ホーム柵が導入されることに伴い、5050形電車もそれに適応するために改造が行われました。そして、ATOの制度も追加され、運転の効率性が大幅に向上しました。

特別な編成とラッピング

5050形の編成の中で、藤が丘方面の先頭から4両目にある5450形は、平日の日中に女性専用車両として指定されています。加えて、2002年からはコカ・コーラなど様々なラッピング広告を施した車両も運行されており、これにより通勤通学する多くの利用者に親しまれています。例えば、5166編成は「子育て応援の日」のPRのために特別なラッピングが施されたことがあります。

2022年には名古屋市交通局の設立100周年を祝して「黄電メモリアルトレイン」が運行され、特別仕様の5177編成が恩返しの意味を込めて多くの方に愛されたことでしょう。これらの取り組みは、5050形電車が地域に根付くための工夫の一環と言えるのかもしれません。

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5050形電車は、名古屋市の公共交通機関における重要な役割を果たしており、利用者にとって快適で便利な移動手段としての機能を備えています。

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