名古屋市立緑丘小学校・中学校

名古屋市立緑丘小学校・中学校の歴史と概要

名古屋市立緑丘小学校・中学校は、愛知県尾張旭市に位置する全寮制の公立教育機関でした。この学校は、当初名古屋市立野間郊外学園、名古屋市立横須賀郊外学園、名古屋市立本宿郊外学園という3つの郊外学園を前身とし、1967年1月1日に同市の新居にて開校されました。この学校の特異性は、名古屋市守山区に隣接しているものの、実際には尾張旭市に位置している点にあります。

緑丘小学校・中学校は、学校教育法に基づく公立学校と、児童福祉法に基づく養護施設である若松寮という二つの機能を持ち合わせていました。このため、教育活動においては学校と寮が互いに連携し、一体的な教育を提供するという全国的にも珍しいスタイルを実現していました。このような教育システムは、特に家庭環境が厳しい子どもたちに対し、支援を行う重要な役割を果たしました。

当初は中学校長が小学校長および若松寮の寮長も兼務しており、教職員が寮職員としても活動する状態で運営されていました。このため、さまざまな教育的支援が実施されていました。基本的には名古屋市児童相談所を通じて、入寮が認められた子どもたちが通学する形をとっていました。特に多くの生徒は家庭環境に恵まれない家庭から来ており、また、昭和40年代からは学校に通えない長期欠席者や、学校に行くことに消極的な生徒も増え、教育の場としての役割が求められていました。

小中一貫校の体制にあった緑丘小学校・中学校は、入寮者が減少する中で、1991年には小学校は休校となり、児童たちは名古屋市立志段味西小学校へ通う形になりました。さらには、1993年には中学校も廃校となり、生徒たちは志段味中学校へ編入することになりました。これにより、名古屋市立緑丘小学校・中学校の歴史が一つの区切りを迎えることとなります。

若松寮はその後も存続し、1997年には名古屋市名東区に移転します。新たな環境においても児童への支援を継続し、2016年には社会福祉法人昭徳会により民間へと移譲され、名古屋若松寮として新たにスタートを切りました。このように、緑丘小学校・中学校は歴史の中で様々な役割を果たし、多くの子どもたちにとって大切な居場所となった教育機関でした。

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