名古屋市連続通り魔殺傷事件

名古屋市連続通り魔殺傷事件

2003年（平成15年）に愛知県名古屋市で発生した、2件の通り魔事件。北区と千種区で相次いで発生し、1名が死亡、1名が負傷するという痛ましい事件。

事件の概要

1件目

発生日時: 2003年3月30日
場所: 名古屋市北区東水切町四丁目
被害者: 女性A（当時22歳）
状況: 女X（当時38歳）がAに「ニシオオゾネはどこですか?」と意味不明な質問をし、注意を引いた隙に包丁で刺した。
Aは自宅に逃げ帰ったものの、腹部の傷が深く、4月1日に多臓器不全で死亡。

2件目

発生日時: 2003年4月1日
場所: 名古屋市千種区日進通一丁目
被害者: 女性B（当時22歳）
状況: XがBを襲い、バッグを奪って逃走。Bは負傷したが、命に別状はなかった。

逮捕と裁判

8月28日深夜、Xは窃盗事件で現行犯逮捕。
翌日の家宅捜索でBのバッグが発見され、2件の通り魔事件を自供。
殺人・殺人未遂容疑で再逮捕。
2006年2月24日、名古屋地裁でXに無期懲役の判決。
弁護側・検察側双方が控訴せず、刑が確定。

犯人像

Xは幼少期に両親が離婚し、極貧生活を送った経験から、金銭への異常な執着と他人への嫉妬心を抱いていた。

取調べに対し、「自分のイライラした気持ちがすっきりすると思った。相手が自分より幸せそうなら誰でもよかった」と供述。
父親は離婚後、占い師として成功したが、Xは父親の新しい愛人との仲が悪く、愛人の洋服を焼き払うという事件を起こし、父親との関係も悪化。
父親から毎月30万円の仕送りを受ける代わりに、一切の関わりを禁じられた。
父親との関係を断たれた頃から精神に変調をきたし、目的もなく自転車で徘徊するようになり、派手な服装で近所を歩き回る姿から「ひらひらさん」と呼ばれるようになった。
家宅捜索では、死体の映ったビデオなどが押収され、「人を殺してみたい」という妄想に取り付かれていたことが判明。
裁判では被告の犯行当時の精神状態が争われたが、精神鑑定の結果、精神的な問題はないと判断された。

その他

この事件とほぼ同時期に、神奈川県でも連続通り魔事件が発生しており、社会に大きな衝撃を与えた。

参考文献

* 平成18年2月24日宣告 平成15年(わ)第2308号，同第2542号，同第2907号 - 裁判所ホームページ (courts.go.jp)

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