井関盛艮

井関 盛艮について

井関盛艮（いせき もりとめ）は、1833年6月8日に生まれ、1890年2月12日に亡くなった日本の幕末から明治期にかけての著名な人物です。彼は宇和島藩の藩士としてスタートし、後に官僚や実業家としても大きな影響を持ちました。彼の本名は峰尾で、通称は斎右衛門と呼ばれました。また、書類によっては「盛良」という名前も併用されています。

経歴の概要

盛艮は、藩主である伊達宗城に仕え、1863年には大目付役軍使兼寺社奉行を務めるなど、重要なポジションに就きました。その後、幕末の混乱期において京都や長崎での政治活動に従事しました。明治維新後は宗城に従い新政府に仕官し、外国事務局や外務省でも勤務を果たしました。

特に、明治2年の「独逸北部聯邦条約」には全権の一人として名を連ね、外交面での活躍も見せました。1869年には神奈川県知事に任命され、この年代には伊勢山皇大神宮の創建や横浜毎日新聞の創刊に寄与するなど、さまざまな事業に関わりました。

その後、明治4年には宇和島県参事に任命されたものの、赴任前に名古屋県令に転任し、愛知県に改称後もそのまま県令を務めました。続く明治6年には島根県権令に任ぜられ、翌年には県令としての職務を全うしましたが、明治9年には退官し、実業界に進出しました。

事業と業績

実業家としては、甲武鉄道の発起人となり、東京から八王子間の鉄道敷設に尽力しました。また、第二十国立銀行の取締役や東京株式取引所の肝煎頭取を歴任し、金融業界での影響力も持ちました。さらに、彼は幕末から明治中期にかけての歴史的な写真の収集家としても知られ、所蔵の古写真には勝海舟や近藤勇、木戸孝允、高杉晋作などの肖像が含まれています。これらの写真は、東京都港区立港郷土資料館に収蔵されています。

亡くなった後

井関盛艮は1890年に56歳で亡くなり、その後、正五位を追贈されました。彼の墓は東京の谷中霊園にあります。盛艮の生涯を通じての功績は、さまざまな分野にわたる広範な活動によって、日本の近代史において重要な位置を占めています。彼の影響は、政治、経済、文化と多岐にわたるため、今日でも彼の業績が評価されています。

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