名古屋臨海高速鉄道あおなみ線

あおなみ線の概要

あおなみ線（あおなみせん）は、名古屋市中村区の名古屋駅から港区の金城ふ頭駅までを結ぶ名古屋臨海高速鉄道の路線です。この路線の愛称は、2003年11月に決定され、名古屋の「な」、「港」の「み」、イメージカラーの青から「青」を組み合わせて名付けられました。正式名称は西名古屋港線ですが、旅客案内では「あおなみ線」が使われています。

路線の背景と構造

あおなみ線は、名古屋市中心部と鉄道未開通地域であった港区南部を結ぶために設計されました。元々は笹島駅から西名古屋港駅間での貨物輸送を担っていたこの路線は、東海道本線の貨物支線である西名古屋港線を全面的に改良し、高架化と複線電化を実施したことで旅客輸送が可能になりました。

全線は立体交差構造であり、特に小本から金城ふ頭間は高架になっています。沿線には、名古屋市国際展示場やリニア・鉄道館、レゴランド・ジャパンといった観光施設が点在しており、多くの来場者を迎え入れています。また、荒子駅以南は、名古屋市営地下鉄東山線が未開通の地域の輸送を担っています。

営業運行と利用者数

旅客列車は名古屋臨海高速鉄道が運行しており、その譲渡後もJR貨物が名古屋と名古屋貨物ターミナル間で貨物列車を運行しています。2010年度の時点での輸送密度は1日約8,385人でしたが、その後年々利用者数は増加し、2017年度には約17,813人に達しました。

さらに、あおなみ線は全駅でICカード乗車券に対応しており、例えばmanacaやTOICAなどのカードが使えます。2013年以降は全国相互利用サービスも始まり、さまざまな交通系ICカードが利用可能となりました。

駅と設備

すべての駅のホームには波型の屋根があり、海をイメージしたデザインが施されています。また、バリアフリー対策として全駅にエレベーターが設置されており、すべての駅のホームにホームドアが設けられるなど、安全性への配慮も行われています。特に金城ふ頭駅にはフルスクリーンタイプのホームドアが設置されています。

名古屋駅、中島駅、金城ふ頭駅以外の各駅は「巡回駅」となっており、2015年以降は駅員が無配置になっている駅もあります。これによりコスト削減と効率的な運行体制を確立しています。

歴史と今後の展望

あおなみ線は、元々名古屋港への貨物輸送として1947年に建設が始まり、1950年に西名古屋港線として開業しました。その後、旅客化が検討された結果、名古屋市や愛知県などの協力により名古屋臨海高速鉄道が設立され、2004年10月に名古屋から金城ふ頭間が開業しました。

今後も直通運転計画や延伸計画が議論されており、中部国際空港へのアクセス向上に向けた構想もあるものの、建設費など現実的な課題も多いため慎重な検討が求められています。

総括

あおなみ線は名古屋市にとって重要な交通路であり、観光施設へのアクセスや街の発展に寄与し続けています。未来に向けてさらなる利用者の増加が期待されます。

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