名古屋西川流

名古屋西川流の魅力とその歴史

名古屋西川流は、日本の伝統芸能である日本舞踊の流派で、流祖は初世西川鯉三郎です。この流派は愛知県名古屋市昭和区を拠点とし、一般財団法人西川会が運営しています。この流派は、名古屋をどりを主宰しており、華やかな舞台を提供し続けています。名古屋西川流は、東京都新宿区に本部を持つ「西川流®」とは異なる団体です。

来歴と発展

名古屋西川流の歴史は、19世紀中頃に遡ります。尾張藩士の娘である織田いくは、舞踊を始めた後に西川流四世西川扇藏の教えを受け、この流派への道を拓きました。1841年、彼女の弟子である西川仁藏は名古屋に移り、舞踊に関する技術を磨いていきます。その後、仁藏は1860年に公許を受け、「名古屋西川流」を樹立しました。これにより、名古屋における舞踊文化が発展し、1863年には織田いくの名取である西川幾が名古屋西川流の柱となりました。この流派は特に多くの舞台振付や舞踊譜の製作など、文化的な貢献を果たしました。

1899年、初代西川鯉三郎の死後、跡目争いが始まりました。彼の弟子である西川石松は、「合議制」を提唱し、この結果、内部での対立を生むこととなります。1905年には西川幾が亡くなり、その後も内部問題は解決されず、1930年代まで続きました。その間に名古屋西川流から多くの舞踊家が育ち、名古屋の舞踊文化を支える重要な存在となりました。

後継者と家元の変遷

1940年、二世西川鯉三郎が名古屋西川流の家元として名乗りを上げ、運営は新たな方向へ進みました。彼は織田家と対立していた石松の子孫であり、伝統を受け継ぎながらも新たな影響を受け取っていました。その後、1945年から名古屋をどりの開催を通じて流派の発展を促進しました。1983年には、持ち歌の一つである「名古屋をどり」が話題を呼びました。

1983年、二世鯉三郎の死後、内部分裂が発生しました。三世家元に就任した西川右近は、姉である西川左近との間で絶縁を宣言し、注目を集めました。左近は分派して「西川流鯉風派」を設立し、新たな流派形成を目指しました。このように、名古屋西川流からは多くの関連流派が生まれ、様々な形で発展しています。

近年の課題と未来

近年においては、名古屋西川流は伝統を守りつつ、現代の舞踊界においても存在感を示しています。しかし、三世家元の西川右近が税務問題で世間を騒がせる事件も起き、流派としての信頼に影響を与える懸念も孕んでいます。そうした試練を乗り越え、流派を守り、発展させていくことが求められています。現在、四世家元の西川千雅がその責任を担い、先人たちの意思を受け継ぎながら、新たな舞踊の未来を創造していくことでしょう。名古屋西川流の魅力は、その深い歴史と、数多くの舞踊家によって紡がれていくことにあります。

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