名古屋高速3号大高線

名古屋高速3号大高線の概要

名古屋高速3号大高線（なごやこうそくさんごうおおだかせん）は、愛知県名古屋市中区の鶴舞南JCTから緑区の名古屋南JCTまでを結ぶ高速道路です。この道路は名古屋市道高速2号の一部と位置付けられ、市内南部と中心部を直結しています。特に、その終点である大高町では国道23号と知多半島道路、さらには名古屋南JCTで伊勢湾岸自動車道や名古屋第二環状自動車道と接続しており、中部国際空港や静岡方面へのアクセス路としても機能しています。

路線の特徴と構造

名古屋高速3号大高線は、名古屋高速の中で最初に供用された路線であり、交通量の集中から重要性が高いとされたことから、建設が優先されました。基本的には高架1層式で、ほとんどの区間が直線的ですが、星崎料金所前後には半径約300メートルのカーブがあり、そこでは下り線が上層に設計されたダブルデッキ構造が採用されています。さらに星崎料金所以南では、天白川に架かる橋が上下線分離の構造となっている点も特徴です。具体的には、起点の鶴舞南JCTから星崎料金所手前までは国道1号と名古屋市道堀田高岳線（空港線）の上を通り、南区の石元町で右にカーブし、愛知県道36号諸輪名古屋線と並走します。この後、丹後通交差点の上で左にカーブし、最終的には終点の名古屋南JCTで国道23号の上を通って接続します。

建設の歴史

名古屋高速3号大高線の建設は1972年の1月に始まりましたが、沿線住民の反対運動と公害問題の深刻化から、用地交渉が大変難航しました。1973年には名古屋市議会が関連予算の執行を凍結する決議を行い、その後も工事は一時中止されました。オイルショックによる物価上昇も影響し、工事は再開されましたが、様々な問題から開通までに約10年がかかりました。1979年、低迷していた経済状況の中でようやく一部区間が開通され、名古屋市内の交通網の整備が進められました。

開通後の展開

開通当初は交通量も少なく、目標を下回る状況が続きましたが、1985年以降、新たな路線の開通や都心環状線の整備に伴い、通行量は急激に増加しました。特に、2003年の名古屋南JCTへの延伸や中部国際空港の開港により、大高線の交通量は大きく増加し、渋滞問題も顕在化しました。これに対処するため、公社は様々な渋滞緩和対策を実施し、南北交通のバイパス路線の開通などで状況は改善されました。

環境対策

建設時には、公害対策として環境施設帯の設置が求められ、騒音や排気ガスの影響を軽減するために緩衝ゾーンが設けられました。高速道路の高架下には、公園などの緑地も整備されており、住民への配慮が行われています。今後も名古屋高速は地域住民との調和を図りながら、便利で快適な交通路として機能し続けることでしょう。

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