名岐バイパス

名岐バイパス（めいぎバイパス）

概要

名岐バイパスは、日本の主要国道の一つである国道22号のバイパスとして整備された道路です。愛知県名古屋市西区を起点とし、岐阜県羽島郡岐南町に至る全長24.3キロメートルの区間を結んでいます。この道路は、愛知県の名古屋市（西区）、清須市、北名古屋市、一宮市、そして岐阜県の羽島郡笠松町、羽島郡岐南町といった地域を通過しており、両県を結ぶ大動脈としての役割を担っています。

構造規格としては、都市部にあたる区間では4種1級、その他の区間では3種1級が適用されており、設計速度は60km/hに設定されています。計画当初からの標準幅員は42.0メートルであり、全線にわたって片側3車線の合計6車線が確保されています。これにより、交通量の多い区間においても比較的円滑な交通流を維持できるよう設計されています。

歴史

名岐バイパスの整備計画は、高度経済成長期における交通需要の増大に対応するため、1958年に事業化されました。翌1959年には具体的なルートが決定し、1960年には建設工事が開始されました。

工事は複数の区間に分けて段階的に進められました。最初の区間として、愛知県名古屋市西区康生通から一宮市丹陽町までの区間が1963年に供用を開始しました。その後、1964年には一宮市丹陽町から浅野までの第2・第3期区間が、1966年には一宮市浅野から両郷町までの第4期区間がそれぞれ開通しました。さらに、1967年には一宮市両郷町から佐千原までの第5期区間の供用が始まりました。そして、事業開始から11年後の1969年に、残る区間が開通し、名岐バイパスは全線供用開始となりました。

全線開通後も改良は続けられ、1975年には全ての区間において6車線化が完了し、現在の形となりました。

特徴と関連

名岐バイパスは、名古屋高速道路とも密接な関連を持っています。特に、名古屋高速16号一宮線の全線は、この名岐バイパスの上に高架構造として建設され、一体的に供用されています。これにより、一般道路である国道22号バイパスと、自動車専用道路である名古屋高速との間で効率的な交通ネットワークが形成されています。

また、名岐バイパスの建設に際しては、地域の交通網に影響を与えた出来事もありました。例えば、かつて存在した名鉄一宮線は、このバイパスの建設事業と引き換えに廃止されたという経緯があります。これは、新しい道路インフラの整備が、既存の交通機関の再編を促す一例と言えます。

名岐バイパスは、愛知県と岐阜県を結ぶ幹線道路として、地域経済や人々の生活を支える上で極めて重要な役割を果たしています。その歴史は、日本の戦後におけるインフラ整備の歩みとも重なるものです。

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