名岐鉄道デボ400形電車

名岐鉄道デボ400形電車の概要

名岐鉄道デボ400形電車は、旧・名古屋鉄道の1500形電車の中から選ばれた7両（1511-1517）のことを指し、特に1935年に実施された形式称号改訂によって名付けられました。これらの車両は、名岐鉄道の前身にあたる名古屋電気鉄道が1923年に製造したもので、木造の2軸ボギー構造を特徴としていました。この電車は主に郡部線で運用されました。

車両の製造と仕様

デボ400形は、1923年に名古屋電車製作所で製造され、1500形1501 - 1510の増備として登場しました。車体は木造で、両端に運転台を設けた設計となっており、側面は3つの客用扉と5つの側面窓が特徴的です。この電車は、もともとイングリッシュ・エレクトリック（EE）が製造した主要機器を搭載しており、制御装置には「デッカーシステム」という電動加速制御装置を用いていました。

沿革と運用

デボ400形は尾西鉄道の譲受後、形式称号改訂が行われ、デボ400形401 - 407と名付けられました。一方、1518は仕様の違いからデボ450形451となりました。その後、名岐鉄道が名古屋鉄道と合併する際、形式称号はモ400形に改訂されました。

1948年の架線電圧の昇圧により、モ400形は電装解除され、ク2260形2261 - 2267に改称されました。これにより、ク2260形は支線系の制御車として運用され続けましたが、1965年には全車が廃車となりました。

車両の構造

デボ400形は、全長14メートルで、木造ダブルルーフ構造を持っています。大きな円弧の妻面と均等に配置された前面窓が印象的で、両端の扉は両開きと片開きが設けられています。また、1518は独特の設計が施され、「嫁入り列車」とも呼ばれました。主要機器はEE製で、直流直巻電動機を各車両に2基ずつ搭載していました。

最後に

名岐鉄道デボ400形電車は、その時代の交通手段として地域の人々に利用され、名古屋鉄道の歴史における重要な一部を形成しています。各方式の改訂や性能向上を経て、長い間、利用され続けたこの車両は、鉄道ファンにとっても貴重な存在です。その文化的、歴史的意義は、今なお多くの人に語り継がれています。

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