名探偵コナン ベイカー街の亡霊

名探偵コナン ベイカー街の亡霊

『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』は、2002年4月20日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第6作です。興行収入は当時最高の34億円を記録し、脚本は小説家の野沢尚が担当しました。

作品概要

本作は、仮想体感ゲーム「コクーン」を舞台に、コナンたちが19世紀末のロンドンで起こる切り裂きジャック事件に挑む物語です。最新技術を駆使したゲーム世界で、コナンはシャーロック・ホームズの世界を体験しながら、現実世界とリンクした事件の真相を追います。また、本作ではコナン（工藤新一）の両親である工藤優作と工藤有希子（アイリーン・アドラーとして）が登場し、親子の絆が重要なテーマとなっています。

ストーリー

最新の仮想体感ゲーム「コクーン」の発表会で、ゲーム開発者が殺害される事件が発生。コナンは、事件の鍵がゲームの中にあると推理し、「コクーン」に参加します。ゲームの世界は19世紀末のロンドン。コナンは少年探偵団と共に、切り裂きジャックを追うことになります。しかし、ゲームは人工知能「ノアズ・アーク」に乗っ取られ、参加者の命をかけたデスゲームへと変貌します。

コナンたちは、ホームズの協力を得ながら、ジャックの正体を暴こうと奔走します。一方、現実世界では優作が事件の真相に迫り、ゲームと現実が交錯する中で、コナンは究極の選択を迫られます。暴走する列車、そして最後に明かされる真実とは？

作品の特徴

シリーズ初の倒叙形式: 犯人が最初に明かされ、コナンたちが犯行の過程を推理していくという、シリーズ初の試みが取り入れられています。
親子愛をテーマ: 仮想空間を舞台に、親子の絆や子供たちの自立を描いたジュブナイルストーリーとなっています。
工藤優作の活躍: コナンの父親である工藤優作がメインキャラクターとして登場し、卓越した推理力を披露します。
ホームズの世界観: シャーロック・ホームズの世界が忠実に再現され、ホームズファンにとっても楽しめる内容となっています。

制作秘話

脚本を担当した野沢尚は、当初オリエント急行のような列車内でのプロットを提案しましたが、アニメ制作上の技術的な問題から断念。その後、子供たちがロールプレイングゲームに熱中する姿を見て、バーチャルゲームを舞台にしたストーリーを考案しました。

原作者の青山剛昌は、灰原の台詞やホームズの登場シーン、ラストシーンなどを追加するよう要望。野沢は、青山との間で膨大なやりとりを行い、脚本をリライトしたそうです。

評価

本作は、シリーズ初の30億円突破となる興行収入を記録し、大ヒットとなりました。特に、親子愛をテーマにした感動的なストーリーや、ホームズの世界観が評価されています。また、コナンが父親に弱音を吐くという珍しいシーンも、ファンの中で賛否が分かれるものの、印象的な場面として語り継がれています。

登場人物

江戸川コナン（声：高山みなみ）
毛利蘭（声：山崎和佳奈）
毛利小五郎（声：神谷明）
工藤優作（声：田中秀幸）
灰原哀（声：林原めぐみ）
阿笠博士（声：緒方賢一）
ヒロキ・サワダ／ノアズ・アーク（声：折笠愛）
シャーロック・ホームズ（声：田中秀幸）
アイリーン・アドラー（声：島本須美）
ジャック・ザ・リッパー（声：速水奨）

スタッフ

原作：青山剛昌
監督・絵コンテ：こだま兼嗣
脚本：野沢尚
キャラクターデザイン・総作画監督：須藤昌朋
音楽：大野克夫

主題歌

B'z「Everlasting」

関連情報

本作はDVD、Blu-rayで発売されています。また、フィルムブックや絵本などの関連書籍も刊行されています。

『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』は、コナンファンはもちろん、ミステリー好きやホームズファンにもおすすめの作品です。

もう一度検索