名探偵コナン 水平線上の陰謀

名探偵コナン 水平線上の陰謀

『名探偵コナン 水平線上の陰謀』（ストラテジー）は、2005年に公開された劇場版名探偵コナンシリーズの第9作です。海を舞台に、豪華客船という閉鎖された空間で繰り広げられる、過去の事故と現代の殺人事件が複雑に絡み合うミステリー作品です。

概要

本作は、豪華客船「アフロディーテ号」を舞台に、15年前に起きた貨物船沈没事故と、半月前の船舶設計士の事故死、そしてアフロディーテ号内で発生する殺人事件が絡み合い、物語が展開していきます。

今作の大きな特徴は、普段は的外れな推理が多い毛利小五郎が、ほぼ単独で事件の真相に迫るという点です。これは、小五郎役の声優である神谷明の長年の夢でもあったそうです。また、アクションシーンも取り入れられており、後半は小五郎に焦点が当てられた作品となっています。

過去のエピソードとして、シリーズ初となる小学生時代の新一と蘭が登場します。少年時代の新一の声はコナン役の高山みなみが担当しています。

本作は、氷山と衝突する貨物船やエンディングの演出など、映画『タイタニック』を意識したシーンが散りばめられています。海上保安庁やクルーザー社の協力を得て制作されたこともあり、リアリティのある描写も魅力です。

あらすじ

15年前、北大西洋で貨物船「第一八代丸」が沈没し、船長と航海士が死亡する事故が発生。そして現代、八代造船の設計士が自動車事故で死亡。一見無関係に見える2つの事件が、豪華客船アフロディーテ号での連続殺人事件へと繋がっていきます。

園子の招待でアフロディーテ号の処女航海に参加したコナンたちは、船内でかくれんぼをしていたところ、園子が何者かに拉致されます。その後、八代商船の社長が殺害され、会長が行方不明になるという事件が発生。目暮警部らが捜査を開始しますが、容疑者は600人を超える難航必至の状況です。

一方、佐藤刑事らは八代設計士の事故死に疑問を抱き、再捜査を開始。コナンは、阿笠博士の声で推理を披露し、シナリオライターの日下が15年前の事故の犠牲者の息子であり、復讐のために事件を起こしたことを暴きます。

しかし、日下は逃走中に船内に爆弾を仕掛け、アフロディーテ号は沈没の危機に瀕します。さらに、事件の裏には真犯人の陰謀が隠されていました。アフロディーテ号の設計士である秋吉美波子は、実は15年前の事故で死亡した航海士の娘であり、父の復讐のために周到な計画を立てていたのです。

小五郎は秋吉を制圧し、コナンと協力して船に取り残された蘭を救出。全員が無事に脱出した後、アフロディーテ号は海に沈んでいきました。

登場人物

江戸川コナン/工藤新一: 本作では、小五郎の推理をサポートする役割を担っています。小学生時代の新一が登場するシーンも描かれています。
毛利蘭: 今回はかくれんぼが得意という意外な一面を見せます。終盤では、沈みゆく船に取り残されるという危機に陥ります。
毛利小五郎: 本作のキーパーソン。卓越した推理力で事件の真相に迫り、犯人を追い詰めます。
灰原哀: コナンと共に事件の捜査に協力します。
阿笠博士: コナンのために、変声機を使って推理を披露します。
少年探偵団: いつものように、コナンと共に事件に巻き込まれます。
鈴木園子: 八代グループの令嬢であり、コナンたちをアフロディーテ号のクルーズに招待します。
目暮十三: アフロディーテ号で発生した事件の捜査を指揮します。
佐藤美和子、高木渉: 八代設計士の事故死について再捜査を行います。
日下ひろなり: シナリオライター。実は15年前の事故の犠牲者の息子であり、復讐のために事件を起こします。
秋吉美波子: アフロディーテ号の設計士。事件の真犯人であり、15年前の事故で死亡した航海士の娘です。

見どころ

毛利小五郎がメインで活躍する異色の展開
豪華客船という閉鎖された空間で繰り広げられるミステリー
タイタニックを彷彿とさせる演出
過去の事件と現代の事件が複雑に絡み合うストーリー
コナンと蘭の絆

『名探偵コナン 水平線上の陰謀』は、シリーズの中でも異色の展開が楽しめる作品です。豪華客船を舞台にしたミステリーと、小五郎の活躍をぜひお楽しみください。

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