名鉄チ80形貨車

名鉄チ80形貨車について

名鉄チ80形貨車（めいてつチ80がたかしゃ）は、かつて名古屋鉄道で操業していた特定の貨物輸送用車両で、具体的には長物車に分類されます。この形式にはチ81とチ82の2両が存在しました。

車両の成り立ち

この貨車の起源は、1925年（大正14年）に日本車輌製造によって製造された愛知電気鉄道の10ｔ積長物車、チ800形（チ800・チ801）にさかのぼります。初期の設計には、中央に回転枕木が配置され、反対側には4つの柵柱が設けられていました。また、これらの貨車は国鉄への直通運行が可能でした。


1935年（昭和10年）、名岐鉄道と愛知電気鉄道の合併によって名古屋鉄道が誕生すると、これらの貨車も一括して名古屋鉄道に引き継がれることとなります。その後、1941年（昭和16年）にはチ80形（チ81・チ82）として改番されました。この改番の際には、旧・チ800がチ802に変更されていることも特筆すべき点です。同年に国鉄との直通が抹消されたことも重要な出来事でした。

戦後の動向

第二次世界大戦後、この貨車は東部線に配属されましたが、その際にいくつか改造が行われました。特に、柵柱の撤去と空気制動の設置などの変更が実施されました。これにより、運用に際しての利便性と安全性が向上しました。


1972年（昭和47年）には、大井川鉄道からチキ300形（チキ301・チキ302）を購入し、これを新たに運用を開始することになります。その結果、名鉄チ80形貨車は形式として消滅を迎えることとなりました。

最後に

名鉄チ80形貨車は、名古屋鉄道の貨物輸送における役割を果たしてきた重要な車両であり、歴史的にも興味深い背景を持っています。その設計や運用の変遷は、当時の鉄道輸送の進化を物語っています。今では姿を消してしまいましたが、鉄道ファンや鉄道博物館などでその痕跡を感じることができるかもしれません。さらなる詳細を知りたい方は、専門書を参照することをお勧めします。

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