名鉄デキ600形電気機関車

名鉄デキ600形電気機関車の概要

名鉄デキ600形電気機関車は、名古屋鉄道が所有していた直流用の機関車で、601から604までの4両が在籍していました。1943年に東芝によって製造され、戦時標準設計型、いわゆる「東芝戦時型」の凸型機関車として設計されました。一方で、603と604号は海南島の日本窒素から注文された電気機関車であり、最終的には名鉄がこれらの2両を譲り受けました。

製造と運用

デキ600形の製造当初は、電装品のない電車や故障した電車を牽引し、旅客輸送にも利用されていました。興味深いことに、製造時には第三軌条用の集電装置が台車に取り付けられていたとのことですが、実際にはその痕跡は発見されていません。また、運転室や台枠の最大幅は名鉄の車両限界を超えていますが、プラットホームの高さを考慮すると必要なクリアランスが確保されていました。

デキ600形は、貨物輸送の主力として長い間活躍しましたが、晩年は特定の駅構内に常駐し、入れ替え作業などを行っていました。その運用方法は非常に多岐にわたりました。

特別整備と外観の変化

1992年には特別な整備が行われ、機関車の塗装がこれまでの黒色からメイテツブルーと黄色の帯に変更されました。この際、制御装置や電動発電機、尾灯が新しく交換され、前面には2燈式シールドビームが取り付けられました。

廃車と置き換え

デキ600形の運命が変わったのは、2015年7月21日のことです。この日、名鉄は新たに製造したEL120形電気機関車に置き換えるため、デキ601から604の全4両を余剰として名電築港駅へ廃車回送し、その後解体処分としました。これにより、名鉄にとって約72年の間活躍したデキ600形は、その歴史の幕を閉じることとなりました。

主要諸元

• - 全長：11,050mm
• - 全幅：2,865mm
• - 全高：4,050mm
• - 運転整備重量：40.0t
• - 電気方式：直流1,500V（架空電車線方式）
• - 軸配置：B-B
• - 台車形式：板台枠、イコライザ式
• - 主電動機：SE130C形(110kW)×4基
• - 歯車比：17:79＝1:4.65
• - 1時間定格出力：440kW
• - 1時間定格引張力：6,500kg
• - 1時間定格速度：24.3km/h
• - 動力伝達方式：歯車1段減速、吊り掛け式
• - 制御方式：抵抗制御、2段組み合わせ制御
• - 制御装置：電磁空気単位スイッチ式
• - ブレーキ方式：空気ブレーキ、手ブレーキ

関連項目

名鉄デキ600形は、他の戦時標準型電気機関車や関連機関車と同様に、時代の変化と共にその役割が大きく変わり、短命ながらも鉄道史において重要な存在であったと言えます。

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