名鉄ト600形貨車

名鉄ト600形貨車について

名鉄ト600形貨車は、名古屋鉄道でかつて運行されていた木造の無蓋貨車です。この貨車は、1902年に鉄道院によって製造されたもので、当初から無蓋車として設計されました。

歴史的背景

この貨車の歴史は、1920年に始まります。この年に三河鉄道が鉄道院から製造された無蓋車を譲り受け、ト50形という形式に改編しました。ト50形にはト51からト58までの番号が与えられ、運用が開始されました。

1931年、ト50形の一部の車両、特に国鉄と直通運航を許可された6両はト600形に改番号され、ト601からト606までの形式が割り当てられました。同時に、直通が認可されなかった2両はト80形として分けられ、ト81とト82の番号が付与されました。このように、もともとのト50形から派生して異なる形式が生まれたことが特徴です。

しかし、1939年にはト600形の国鉄直通認可がキャンセルされました。それにも関わらず、改造の結果、ト50形は9トン積みに対し、ト600形は10トンの積載量を持っていたため、形式はそれぞれ区別されることとなりました。

名古屋鉄道への合併とその後

1941年、三河鉄道は名古屋鉄道と合併しました。この合併によって、ト600形はそのまま名古屋鉄道に引き継がれたものの、改番号はされませんでした。一方で、ト50形については新たにト140形として改番され、ト141とト142の番号が与えられました。

戦後の時代において、ト600形貨車は名古屋鉄道の東部線で活躍しましたが、1960年にはその形式が正式に消滅しました。同様に、改番されたト140形も三河線での運用を行い、1958年には形式消滅しています。

参考文献

本情報の詳細に関しては、清水武・田中義人・澤内一晃による著作『名古屋鉄道の貨物輸送』（フォトパブリッシング、2021年）を参考にしています。ISBN 978-4-8021-3270-1です。

このように、名鉄ト600形貨車は名古屋鉄道の歴史において重要な役割を果たし、実際の運用を通じてそのサービスを提供してきました。

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