名鉄ト700形貨車

名鉄ト700形貨車の概要

名鉄ト700形貨車（めいてつト700がたかしゃ）は、かつて名古屋鉄道で使用されていた木造の無蓋貨車です。この車両は、名古屋鉄道の歴史の中で重要な役割を果たしていましたが、1968年に形式が消滅するまでの短い運命を辿りました。

車両の運用と構成

名鉄ト700形貨車は、ト701からト704までの4両が運用されていました。特にト701とト702は、当初愛知電気鉄道から引き継がれ、ト703とト704は富山地方鉄道から譲渡されたもので、各車両の詳細には相違点があります。これらの貨車は主に名古屋鉄道の東部線で活躍していました。

イニシャルと改番の経緯

ト701とト702は、1923年に名古屋電車製作所で製造され、もともとは愛知電気鉄道のト700形（ト700・ト701）でした。1935年に、名岐鉄道と愛知電気鉄道の合併により名古屋鉄道が設立されると、これらの車両も名古屋鉄道に引き継がれました。その後、1941年にはト700形という新しい形式に改番されました。これらの貨車は愛知製鋼の私有貨車であり、国鉄へも直通可能でした。

ブレーキ装置の進化

当初は手動ブレーキを採用していましたが、1961年の規制により国鉄直通貨車には空気制動装置の設置が義務付けられ、ト701とト702にはこの装置が取り付けられました。これにより、貨物の輸送の効率と安全性が向上しました。

ト703・ト704の製造と譲渡

ト703とト704は1941年に富山地方鉄道で製造されたト71とト74で、1954年に名古屋鉄道に譲渡され、ト700形（ト703、ト704）に改番されました。これらも国鉄へ直通可能な私有貨車として運用されました。

主要諸元

名鉄ト700形貨車の主要な仕様は以下の通りです。

• - ### ト701・ト702

- 全長： 6,579 mm
- 全幅： 2,515 mm
- 全高： 1,696 mm
- 自重： 6.01 t
- 荷重： 12 t

• - ### ト703・ト704

- 全長： 6,330 mm
- 全幅： 2,260 mm
- 全高： 2,055 mm
- 自重： 6.0 t
- 荷重： 10 t

結論

名鉄ト700形貨車は、その短い運用期間にもかかわらず、名古屋鉄道における貨物輸送の歴史を振り返る上で重要なものでした。その構造や改良は、鉄道貨物輸送の進化を示す一端として評価されます。

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