名鉄モ540形電車

名鉄モ540形電車

名鉄モ540形電車は、名古屋鉄道（名鉄）が過去に所有していた路面電車の一種です。この車両は、1949年に三重交通から譲り受けた501形を基にしています。モ540形は名鉄の軌道線において最初に連結運転を行ったことで、交通機関としての重要な役割を担いました。

沿革

モ540形電車の起源は、三重合同電気（現在の三重交通）の木造四軸ボギー車に遡ります。この車両群は1922年に製造され、改造を受けて1949年には三重交通501形に改称され、神都線での運用が行われました。

名鉄は当時、車両不足に陥っており、三重交通の501形を3両譲り受け、モ540形に改名しました。これにより、美濃町線で運用されることになりました。

1960年、乗客の増加に伴い、モ541とモ542に連結器が取り付けられ、初めての連結運転が開始されました。この対策により、車両の輸送能力が大きく向上しました。さらに、1963年から1967年にかけて、外装を鋼板で覆う施工が行われ、車両の耐久性と安全性が向上しました。

その後もモ540形は美濃町線で運行されましたが、独立して運行されていたモ543は1968年に連結車両に改造されました。しかし、連結車両のモ541とモ542は、名鉄の新車両であるモ600形の登場により、1970年にそれぞれ廃車されました。これにより、モ540形はその使命を終えました。

性能諸元

名鉄モ540形電車の基本的な特性は以下の通りです：

• - 製造年: 1922年
• - 全長: 9,753 mm
• - 全幅: 2,235 mm
• - 全高: 3,753 mm
• - 自重: 13.5 t
• - 定員 (着席): 64人（うち28人は座席）
• - 台車: ブリル 76-E1
• - 電動機: MT-60A
• - 出力: 37.3 kW × 2

名鉄モ540形は、その独自の歴史と技術的な特徴から、名古屋鉄道の重要な一部でした。地元の交通に大きな影響を与えたこの車両は、名鉄の歴史の中で特別な位置を占めています。今後もこのような歴史的な車両の忘れられた物語が、多くの人に知られ続けることを願っています。

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