名鉄モ770形電車 (2代)

名鉄モ770形電車の歴史と特徴

名鉄モ770形電車は1987年に新製された路面電車車両であり、名古屋鉄道（名鉄）および福井鉄道で重要な役割を果たしてきた。この車両は特に岐阜市内線と揖斐線を直通運転するために導入されたもので、その設計は特別な考慮がなされていた。

名古屋鉄道時代（1987年 - 2005年）

1987年から2005年まで、名古屋鉄道で運用されたモ770形は、当時運行されていた旧型の電車に代わる新しい車両として製造された。それまで岐阜市内線には1967年から旧型電車が使用されていたが、これを新型に置き換えることが決定。結果として、モ770形は名古屋鉄道で初めて冷房装置を搭載した車両となった。

モ770形は、日本車輌製造によって4編成8両が製造された。連接車両であり、2つの車体を台車で接続している。このデザインは、既に運行されていたモ880形からの影響を受けているが、特に岐阜市内の併用軌道に適した仕様として、車体幅が130mm狭く設計された。また、同系列の車両はワンマン運転のための装置も備えており、プラットホームが設けられている揖斐線に合わせた構造が施されていた。

走行性能に関しても、モ770形は市内線での低速運転と揖斐線での高速運転の両者を兼ね備えており、特に忠節から黒野間の直線では約70km/hでのスピードを実現した。

初めの車体塗装はスカーレット一色であったが、1997年には新たにモ780形に準じた塗装へと変更され、772編成は1994年から1997年にかけて特別色で運行されていた。

2005年4月、名鉄60V線区の全廃に伴い、モ770形は名古屋鉄道を離れることになった。

福井鉄道時代（2005年 - 現在）

名鉄から福井鉄道への譲渡は2005年に行われた。この移行に際し、車両は名鉄岐阜工場にてさまざまな改装が施された。具体的には、内外装の変更、ならびに機器の改良が行われた結果、福井鉄道の運行特性に応じた性能を持つ車両として生まれ変わった。

外装も一部変更され、白を基調にしたデザインが施された。青帯と緑、黄緑の帯が各所に配置され、これらの色は福井の雪や海、野、山を表現している。また、側面には福井鉄道のロゴマークが付され、このデザインは同時期に導入されたモ800形とも共通の特徴を持つ。

2006年4月には正式に福井鉄道での運用が開始され、同年9月には旧美濃町線のモ800形と共に陸路で搬送されている。その後、モ770形は直通運転での使用が制限されることとなり、特に定員数が少ないことから、1617年12月には福武線内での運行が中心となっている。

モ770形電車はその特異なデザインと性能を活かし、地域交通の重要な一端を担い続けており、名古屋鉄道時代から福井鉄道時代にかけて、その活躍が期待されている。

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