名鉄岩倉支線

岩倉支線の概要

岩倉支線は、愛知県岩倉市の岩倉駅から小牧市の小牧駅までを結ぶ鉄道路線で、名古屋鉄道（名鉄）の一部であり、名鉄小牧線に属しています。この路線は、総延長5.5kmで、電化されており、直流1500Vの方式で運行されていました。全線単線であり、起終点を含めて5つの駅が設置されていました。

設立と歴史

この路線は、もともと名古屋電気鉄道によって開発されたもので、犬山線の補完的な役割を果たすことを目的としていました。1920年9月23日に、岩倉駅から小牧駅までの区間が開業し、最初は「小牧線」と名付けられていました。しかし、その後の鉄道路線の開発と競合によって、メインの路線としての地位を失い、地方のローカル線的な位置づけに括られました。

1944年には中市場駅が休止となり、その後も路線の利用状況は厳しさを増していきました。1945年には、小牧分岐点から新小牧駅までの新しい区間が開通し、これに伴い小牧駅の名が変更されるなど、変化が続きました。1948年には、路線名を岩倉支線に改称し、当時の名鉄小牧線との統合を反映する形となりました。

廃止の背景

岩倉支線の歴史的な衰退の背景には、名古屋市電御成通線が開通したことがありました。この新しいルートによって、岩倉支線の重要性が薄れてしまいました。そして更に、国道41号線名濃バイパスの建設が決定し、交差する位置に廃線が予定されていたため、路線は最終的に廃止の運命を辿ることとなります。1964年4月26日をもって路線は正式に廃止されました。

廃止後の交通手段

廃止後、名鉄バスが新たに運行を開始し、当線の利用者の代替交通手段を提供しています。これにより、かつての利用者がバスを介して移動できる手段を確保したのです。しかしながら、鉄道と同じ利便性の高さを持つわけではなく、交通の便はやや不便になったとの声も聞かれました。

また、名古屋市中心部へのアクセスは、2003年の地下鉄上飯田線の開通まで一時的に途絶えていました。このように、岩倉支線の廃止は単なるローカル線の終焉だけではなく、名古屋とその周辺の鉄道事情にも大きな影響を与えました。現在、岩倉支線の廃止された場所には、当時を懐かしむ声や、決して早過ぎた廃止に関する意見が今も根強く残っています。

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