名鉄小牧線

小牧線の概要

小牧線（こまきせん）は愛知県名古屋市北区の上飯田駅から犬山市の犬山駅までを結ぶ、名古屋鉄道の鉄道路線です。この路線は名古屋市北部から春日井市、小牧市を経由して犬山市までを連絡しています。

小牧線は上飯田駅から小牧駅までの区間が複線であり、その先の小牧駅から犬山駅までの区間は単線となっています。名古屋市内へ向かう地下鉄の乗り入れ部分も含まれるものの、一部の区間ではローカル線的な特性が強いのが特徴です。特に、上飯田駅から味鋺駅間と小牧駅周辺には地下や高架の区間が設けられており、都市型の鉄道としての一面を持っています。

2003年までは、上飯田駅で降りて市バスに乗り換える必要がありましたが、上飯田線が開通したことで平安通駅から名古屋市営地下鉄名城線への直通運転が始まり、利便性が向上しました。運賃計算は特異で、営業キロの1.15倍を基に算出されています。また、全ての駅でmanacaなどのICカードが利用可能で、上飯田駅から味鋺駅間の新線区間では、加算運賃は発生しない仕組みになっています。

歴史と沿革

小牧線の開業は1931年に遡り、名岐鉄道が城北電気鉄道と尾北鉄道の事業を統合して開業しました。当初は非電化のガソリンカー運行で、地元住民にとって鉄道の開通は大きな喜びでした。その後、電化が進み、1942年には上飯田駅から新小牧駅間まで電化され、1947年には小牧駅から犬山駅まで電化が完了しました。

1948年には大曽根線から小牧線に改称され、運行の効率化が図られるようになりました。さらに、1954年からは名鉄初の単線自動閉塞を導入し、1964年には架線電圧が600Vから1500Vに昇圧されるなど、設備の近代化が進みました。1974年には明治村口駅の立体交差事業が完成し、国道41号との平面交差が解消されました。

サービスと利便性

小牧線ではほぼすべての列車が上飯田駅から平安通駅まで名古屋市営地下鉄上飯田線との直通運転を行っており、上飯田線との一体運行により、その利便性が大幅に向上しました。現在は主に普通列車が運行され、小牧駅から犬山駅間の単線セクションでは日中、田県神社前駅と五郎丸信号場で上下列車の行き違いが可能です。

最近のデータによると、2003年の直通運転開始以降、利用者数は大きく増加しており、特に2008年度には当路線の平均利用者数が40,000人を超えるまでになりました。ただし、名古屋駅に直接つながっていないため、JR中央線などに乗り換える利用者も多いのが現状です。

車両と運行形態

現在、小牧線を運行しているのは名鉄製の地下鉄対応車両であり、これらは4ドアの20メートル車両が中心です。過去には2ドアや3ドアの車両も使用されていましたが、現在は特に地下鉄対応のデザインが求められています。多くの駅では4両まで対応できるホーム設計になっており、各駅には自動券売機が設置されています。

集中管理システムの導入により、車掌による発券作業などが不要になり、効率的な運行が実現されています。これにより、運行ダイヤも改善され、多くの乗客が利用しやすくなっています。

このように小牧線は、愛知県内の重要な交通手段であり、その歴史と設備の発展を背景に、今も多くの人々に利用されています。

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