名鉄築港線

築港線の概要

築港線（ちっこうせん）は、愛知県名古屋市南区の大江駅から港区の東名古屋港駅までを結ぶ名古屋鉄道（名鉄）の鉄道路線です。元々は築港支線と呼ばれており、常滑線の支線として扱われることもありました。特にこの路線は沿線の工場への通勤路線として利用されています。

役割と機能

この路線は距離が非常に短いにも関わらず、名古屋臨海鉄道東築線や東港線を介して東海道本線と接続しています。この連結により、豊川に位置する日本車輌製造の車両や資材の輸送に利用されており、また廃車車両の搬出にも重要な役割を果たしています。加えて、東名古屋港駅からは名古屋港大江ふ頭への引き込み線があり、輸出の際にも利用されます。このため、築港線は地元の鉄道産業にとって欠かせない存在といえるでしょう。

特筆すべき点

名古屋臨海鉄道の東築線との交差点は、90度の平面交差となっており、これは他では見られない珍しい形態です。この平面交差は日本で唯一の存在で、特に鉄道ファンには注目されています。また、名電築港駅付近では廃車済み車両の解体や搬出が行われています。

運賃計算は、営業キロの1.15倍を基準としています。ダイヤに関しては、大江駅が起点とされ、東名古屋港行きが下り、逆に大江行きが上りとして扱われていますが、列車番号設定では異なり、特に東名古屋港からの列車が奇数となっています。

路線のデータ

• - 路線距離: 1.5km
• - 軌間: 1,067mm
• - 駅数: 2駅（起終点駅を含む）
• - 複線区間: なし（全線単線）
• - 電化区間: 全線電化（直流1,500V）
• - 最高速度: 60 km/h 運用方式は票券閉塞式で、保安装置としてM式ATSが使われています。

歴史

築港線は、その成立以来、様々な変遷を経てきました。昭和40年代までは名鉄の主要な貨物路線でしたが、名古屋臨海鉄道の開業により、愛知県から運行委託されていた貨物の輸送量が激減し、1984年には貨物営業が廃止されました。その後、1991年から2004年にかけては中部HSSTによるリニアモーターカーの実験線も設けられていましたが、実験終了後は早々に撤去されています。

年表

• - 1920年6月: 愛知電気鉄道が鉄道免許を取得。
• - 1924年1月: 大江駅 - 西六号駅間が開業。
• - 1938年12月: 愛電築港駅が名電築港駅に改称。
• - 1959年9月: 伊勢湾台風の影響で不通となり、単線で復旧。
• - 1984年:貨物営業が廃止。
• - 2003年: ダイヤ改正により、運行されている車両が2両に減車。

2011年からはワンマン運転が始まり、ますます使い勝手が向上しました。現在の運行形態では、平日20往復、土休日8往復の列車が朝夕に運転されており、所要時間は約3分で、日中の運行は行われていません。

使用車両

2024年の改正に伴い、使用車両が5000系から9100系のワンマン対応車両に変更されました。この新たな車両はLED式の行先表示器を搭載しており、便利に使われています。

駅一覧

築港線は全て名古屋市内に位置し、普通列車のみが運行されています。すべての列車が各駅に停車するのが特徴です。全区間が単線であり、列車交換は不可能です。

築港線は、その利用の便利さだけでなく、名古屋の交通網においても重要な役割を担っています。

もう一度検索