名鉄MRM100形電車

名鉄MRM100形電車について

名鉄MRM100形電車は、かつて名古屋鉄道の跨座式モノレールとして運行されていた電車で、1962年に開業したモンキーパークモノレール線で導入されました。この車両は、ゴムタイヤを使用してコンクリートのレール上を走行する独特の構造を持ち、日本で初めての跨座式モノレールとなりました。モンキーパークモノレール線が廃止された際、MRM100形は日本で最も古い現役のモノレール車両でした。

車両の構造

MRM100形の制御装置は日立製作所製の電動カム軸式抵抗制御を採用しており、永久的に17段の抵抗制御と発電制動が可能です。また、直流1500Vの主電動機は、340Vの端子電圧と232Aの電流を供給し、70kWの出力を持ちつつ、1,600rpmでの運転が可能です。車体はアルミニウム合金製で、名鉄のすべての旅客車両の中でも最後の非冷房車両でした。

編成は、先頭車のMRM100形が2両、中間車のMRM200形が1両で構成され、通常は1本を使用し、多客時には6両の編成で運行されました。全断面の貫通路を採用していたため、連接構造は乗客に利便性を提供し、運転席も簡易な仕切りがあるため前面展望を楽しむことができました。席は多様で、運転室後部には窓を向いたロングシートがあり、他の部分にはボックスシートが配置され、各車両には片開きの扉が2つ設けられていました。

塗装は、当初は無塗装の状態に赤と白の帯でしたが、1990年代には沿線の日本モンキーパークに関連した動物のステッカーやラッピングが施されました。さらに、2000年代には全体が明るい色にラッピングされた編成も登場しました。

モンキーパークモノレール線廃止後の処遇

2008年12月28日にモンキーパークモノレール線が廃止されましたが、当時は車両の今後についての発表はありませんでした。その後、製造メーカーである日立製作所は、先頭車の102号車を山口県下松市で保存することを決定。名鉄でも、101号車と201号車を元の塗装に復元し、動物園駅跡地で静態保存することを発表しました。さらに、103号車は岐阜県可児市のスパリゾート湯の華アイランドで観光展望台として利用されています。

結論

名鉄MRM100形電車は、名古屋鉄道の歴史において重要な役割を果たしてきた存在であり、その独特なデザインと運行方式は、モノレールの魅力を引き立てる要素となっていました。廃止後も、いくつかの車両が保存されており、名鉄の軌跡は未来にも受け継がれていくことでしょう。

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