吐息でネット。

南野陽子の大ヒット曲「吐息でネット。」：詳細解説

南野陽子の11枚目のシングル「吐息でネット。」は、1988年2月26日、CBS・ソニーよりリリースされました。この曲は、1988年度のカネボウ化粧品CMソングとして起用され、同社の『BIO フィットネットリップスティック』『エビータデュイ フィットネットリップスティック』『'88年春のバザール』キャンペーンで流されました。

その高い人気から、オリコンチャートで「楽園のDoor」から続く6作連続1位を獲得。更には、南野陽子自身のシングルで初めて30万枚（30.4万枚）を超える売上を記録し、彼女の代表曲、最大のヒット曲となりました。

しかし、興味深いことに、競合化粧品メーカーである資生堂やノエビアをスポンサーに持つ音楽番組『夜のヒットスタジオ』では、この曲は一度も披露されませんでした。CM起用と番組スポンサーの関係性の複雑さを示す一例と言えるでしょう。

「吐息でネット。」は、その音楽的魅力だけでなく、リリース形態にも注目すべき点があります。本シングルでは、8センチCD盤が初めてCBS・ソニーグループより発売されました。また、EP盤は、大型ジャケットと特典が付いた限定盤と、通常盤の2種類がリリースされ、コレクターにも人気の高い作品となっています。

そして、2005年にはセルフカバーされたバージョンが、「はいからさんが通る／吐息でネット」というタイトルの1枚のマキシシングルとしてリリースされました。オリジナル版とは異なるアレンジや南野陽子の歌唱で、当時を懐かしむファンだけでなく、新たな世代にも聴かれる機会を得ることとなりました。ただし、セルフカバー版のタイトル表記では、句点『。』が省略されている点が興味深い点です。

カップリング曲である「ガラスの海で」も、南野陽子作品らしい繊細なメロディーと歌詞が魅力です。作詞は両曲とも田口俊、編曲は萩田光雄が担当し、南野陽子の歌声を最大限に引き立てるサウンドプロダクションとなっています。作曲は、「吐息でネット。」が柴矢俊彦、「ガラスの海で」が木戸恭弘と、異なる作曲家が担当しています。

「吐息でネット。」は、単なるヒット曲にとどまらず、日本の音楽史、そして1980年代後半の音楽シーンにおいて重要な位置を占める作品です。8センチCDの導入やCMタイアップ戦略、オリコンチャートでの記録、そして、長く愛され続ける楽曲としての魅力と、様々な角度からその価値を見出すことができるでしょう。現在でも、多くのファンに親しまれ、その存在感を示し続けています。

【収録曲】

吐息でネット。（作詞：田口俊、作曲：柴矢俊彦、編曲：萩田光雄）
ガラスの海で（作詞：田口俊、作曲：木戸恭弘、編曲：萩田光雄）

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「吐息でネット。」は、南野陽子のキャリアの中でも、そして日本の音楽史の中でも、記憶に残る一曲として、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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