向吉悠睦

向吉悠睦：現代仏像彫刻の巨匠

向吉悠睦氏は、現代日本の仏像彫刻界を代表する仏師です。1961年、鹿児島県に生まれ、幼少期から仏像彫刻に深い関心を抱いていました。1969年には父のもとで仏像彫刻の基礎を学び、その後、京都仏像彫刻研究所で松久朋琳・宗琳父子に師事し、高度な技術と伝統的な技法を習得しました。

研鑽と独立

研鑽を積んだ向吉氏は、1991年に独立。大阪府大阪市旭区に「あさば佛教美術工房」を設立し、自身の工房で仏像制作に励むようになりました。その卓越した技術と深い信仰心から生み出される作品は、多くの寺院や人々から高く評価されています。

栄誉と功績

向吉氏の作品は、その写実性と繊細な表現力、そして仏像彫刻に対する深い理解によって特徴づけられます。数々の寺院から大仏師号を授与されていることは、その技量の高さ、そして仏教界における貢献の大きさを示しています。具体的には、1997年に真言宗泉涌寺派大本山法楽寺、1999年に高野山真言宗淡路島七福神霊場総本山八浄寺、そして2010年には真言宗豊山派西新井大師總持寺徳壽院から大仏師号を賜っています。

共著と写真集

向吉氏は、仏像彫刻に関する知識を広く一般に伝えたいという思いから、著書や写真集も出版しています。妻である中村佳睦氏との共著『やさしくわかる仏像入門』（ナツメ社、2007年）は、仏像彫刻の初心者にも理解しやすい内容となっています。また、写真家西宮正明氏との共作による写真集『向吉悠睦の彫刻　西宮正明写真集』（光村推古書院、2001年）と『現代の佛像　向吉悠睦の彫刻』（光村推古書院、2003年）は、向吉氏の作品の魅力を鮮やかに捉えた作品として高く評価されています。これらの出版物を通して、多くの人々が仏像彫刻の奥深さ、そして向吉氏の芸術性に触れる機会を得ています。

あさば佛教美術工房

向吉悠睦氏の工房「あさば佛教美術工房」は、現代仏像彫刻の重要な拠点となっています。伝統的な技法を守りながら、現代的な感性を取り入れた作品を制作し続ける向吉氏の活動は、日本の仏像彫刻界に大きな影響を与え続けています。これからも、その卓越した技術と深い信仰心を持ち続け、多くの人々に感動を与える作品を生み出し続けることが期待されています。

まとめ

向吉悠睦氏は、伝統と革新を融合させた現代仏像彫刻の第一人者です。その卓越した技術、深い信仰心、そして人々への貢献は、日本の仏像彫刻史に新たな一章を刻んでいると言えるでしょう。今後の活動にも目が離せません。

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