君といるセカイ

『君といるセカイ』とその後日譚『君といるミライ』

『君といるセカイ』（きみといる-）は、テーブルトークRPG『アルシャードガイア』を基にしたリプレイ作品で、ゲームマスターも務める藤井忍が執筆し、イラストはぽぽるちゃが担当しています。この作品は、2008年3月から7月までファミ通文庫の公式サイト『FB Online』で連載され、2009年11月には書き下ろしの後日談『君といるミライ』とともに文庫化されました。

概要

藤井忍はこれまで『ダブルクロス』を中心にリプレイヤーとして活動してきましたが、本書は彼にとって初めてゲームマスター兼著者としての作品です。プレイヤーは『アルシャードガイア』の製作スタッフで構成されており、序文や後書きでは「新人GMがベテランプレイヤーに挑む」というテーマが強調されています。内容は単なる力押しではなく、巧妙な仕掛けが用意されており、特に第1話ではPvP要素が取り入れられた特異な形態が際立っています。これにより、ベテランプレイヤーたちに適度な挑戦を提供しています。

あらすじ

第一話：君といるセカイ

聖翔華学園の同じクラスに通う4人の男子生徒たちは、自ら「クエスター」と称し、不思議な夢を体験します。それは平行世界にいる少女から、自分の故郷を救うための協力を求められる内容でした。翌日、彼らの前にその夢に登場した4人の少女たちが転校生としてやってきます。

彼女たちの故郷は危機に瀕しており、融合によって助かる可能性があると言います。融合を実現するためには「公平な条件での勝負」を行うこととなり、男子生徒たちは代闘士として選ばれます。勝利すれば、望みを一つだけ叶えてくれるという報酬が待っています。勝負は文化祭での出し物勝負として行われますが、その裏側には暗い陰謀が潜んでいました。

第二話：君といるミライ

数か月後、クリスマスイブの前夜、4人の男子生徒が生徒会室に集まると、一人の幼女が現れ「ママを助けて」と懇願します。彼女は彼らの過去の出来事に強く結びついており、再び彼らは異世界の冒険へと旅立つ運命を辿ります。

登場人物・設定

本作には多彩なキャラクターが登場します。プレイヤーキャラクター（PC）は、各々の特殊能力や背景を有した個性豊かなキャラクターたちです。たとえば、岩戸転は時空を超えてやってきた音楽の才能を持つキャラクターであり、他者を支援する力を持つ一方で、闘いを有利に進める工夫を凝らします。

キャラクターはそれぞれ独特なバックストーリーを持ち、さまざまな葛藤や成長が描かれています。さらに、非プレイヤーキャラクター（NPC）として、黒田千影や高坂橙子など、物語を引き立てる重要な役割を果たすキャラクターも存在します。

用語と設定

作品の舞台である聖翔華学園や、異なる平行世界を示す用語が数多く存在します。リーフワールドやルートワールド、希望の力などの概念が豊かに描かれ、それぞれのキャラクターに深い意味を与えています。

作品の魅力

『君といるセカイ』は、友情や成長、異世界冒険を中心に据えながら、多層的なストーリー展開と深いキャラクター描写が魅力です。少年たちの成長と、彼らが直面する試練が色濃く反映されており、読者にとって忘れられない体験となることでしょう。物語の中で、作者が描く人間関係の変化や、希望の力を巡るテーマは、幅広いリーダーに共感を呼び起こします。

他にも、作品にちりばめられた伏線や意外性は、リプレイとしての楽しさを一層引き立てています。彼らの冒険がどのような結末を迎えるのか、ぜひ手に取って体験してほしい一冊です。

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