君に捧げるエンブレム

君に捧げるエンブレム

『君に捧げるエンブレム』は、2017年1月3日21時から23時30分まで、フジテレビ系列で放送された日本の新春ドラマスペシャルです。この作品は、事故によって両足の機能を失った元Jリーガーが、車椅子バスケットボール選手としてパラリンピック日本代表を目指す感動の物語を描いています。主演には櫻井翔が起用され、物語の背後には実在の選手、京谷和幸氏の物語を基にした要素が含まれています。

制作の背景

このドラマはフジテレビの増本淳が企画・プロデュースを手がけ、取材からドラマ化まで5年もの歳月を要しました。増本は、2011年に京谷氏の記事を目にし、その後京谷氏や日本代表コーチである及川晋平にインタビューを行いました。彼は、障害者スポーツを感動的な物語に留まらせず、クールで魅力的なアスリートとして描くことに力を入れました。

当初の企画は2012年に通らなかったものの、2016年のリオオリンピックを前に再びプレゼンを行い、やっと世に出ることが決まりました。この作品は実在の選手たちへの取材を基にフィクションで構成されており、登場人物の性格はモデルとは異なるものの、彼らの魅力が詰まった内容となっています。

キャスティングと演技

櫻井翔は、サッカーの才能を持ち自信家である主人公を演じていますが、同時にその内面には不完全さも抱えています。櫻井の選出に関して増本は、彼の持つ「茶目っ気」と「真面目さ」がこの役にふさわしいと判断しました。櫻井自身も、友人が車椅子生活を送っていたことから障害者スポーツへの理解が深く、出演を快諾しました。撮影後、櫻井はこの作品に対する思い入れを強く語りました。

キャストたちは、撮影に先立って1か月間の車椅子バスケットボールの練習を行い、代々木第一体育館で本格的な撮影を行いました。当初は試合のためには吹き替えを考えていましたが、キャストの上達により60%以上のシーンが実際の彼らのプレーで収録されました。

評価と視聴者の反応

放送初日の視聴率は8.4%と一定の反応を得ました。特に、川田夫妻が舞台挨拶に参加した完成披露試写会では、京谷氏が懐かしさを語るなど、その再現性が高く評価されています。コメンテーターたちは、本作のテーマが持つ「エネルギーの強さ」や「未来への希望」に着目し、ポジティブな作品として称賛しました。また、障害者を一人の人間として描く姿勢が特に評価されています。

ストーリー概要

主人公、鷹匠和也は代表選手に選ばれたサッカー選手でしたが、交通事故に遭い下半身不随となってしまいます。周囲からは異様な目で見られる中、婚約者の未希が彼を支え、リハビリを経て彼は車椅子バスケットボールの世界に入ります。和也は自分の限界を超えて、パラリンピック日本代表を目指すことになります。

主要キャスト

• - 鷹匠和也 - 櫻井翔
• - 仲川未希 - 長澤まさみ
• - 向井大隼 - 市原隼人

この作品は障害者スポーツの魅力を広めるだけでなく、敢えて人間らしい不完全さを描くことで、多くの視聴者に深い感動を与えました。

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