君津市では、利用客減少による民営バス路線の廃止を受け、
2005年より市が主体となり、
コミュニティバス3路線と
デマンド型交通(デマンドタクシー、デマンドバス)を運行しています。日東交通と
大新東の2社に運行を委託し、各路線には愛称が付けられています。本稿では、これらの公共交通について詳細に解説します。
1. 小糸川循環線(ブルードリーム号・グリーンドリーム号)
君津駅南口、市役所、バスターミナルなどを経由する循環路線です。既存路線の廃止代替として運行を開始し、利用者の増加に伴い、中型車の導入や運行区間の延長などが行われました。運行開始当初は路線独自のカラーリングでしたが、
2009年以降導入の車両は、
君津市マスコットキャラクター「
きみぴょん」のラッピングが施された若草色を基調としています。三菱ふそうエアロミディMJ、いすゞエルガミオ、日産ディーゼルスペースランナーRMなど、
バリアフリー対応の
ノンステップバスが使用されています。
運行開始:
2005年10月1日
運行委託: 日東交通(富津営業所)
主な経由地: 君津グラウンドゴルフ場、周南公民館入口、郡の杜、貞元社宅、君津駅南口、
君津市役所、君津バスターミナルなど
特徴: 周南公民館~君津グラウンドゴルフ場間はフリー乗降区間
沿革: 運行本数の見直し、運行区間の延長、交通系ICカード導入など、利用状況や地域ニーズに対応した改善が継続的に行われています。
2015年には運行打ち切り事件が発生し、運行委託事業者による謝罪が行われています。
2. 人見・大和田・神門線(オレンジドリーム号)
バス路線がなかった地域の交通不便解消のため新設された循環路線です。現在は、
大新東が運行委託を受け持っています。運行開始当初は「イエロードリーム号」も運行されていましたが、
2013年のルート変更に伴い廃止されました。
運行開始:
2007年10月16日
運行委託:
大新東
主な経由地:
君津市役所、君津駅北口、君津台中央、君津高校、大和田、神門など
沿革:
2013年に運行ルートの大幅な変更、運行委託先の変更(日東交通→丸増商事→
大新東)などがありました。
3. 中島・豊英線(アミー号・そよかぜ号)
既存路線廃止に伴う代替路線として運行されています。愛称は秋元地区の「ア」と三島地区の「ミ」を組み合わせたもので、
スペイン語の「友達」を意味する「アミーゴ」にもかけています。「アミー号」と「そよかぜ号」は乗り継ぎが可能で、粟倉~県民の森間はフリー乗降区間となっています。
運行開始:
2005年10月1日
運行委託:
大新東
主な経由地: 鈴木病院前、中島、粟倉、東粟倉・植畑本郷、東日笠、三島湖、県民の森など
特徴: 「アミー号」と「そよかぜ号」の乗り継ぎが可能。粟倉~県民の森間はフリー乗降区間。
沿革: 運行本数の見直し、運行区間の延長、運行委託先の変更(
大新東→丸増商事→
大新東)などがありました。丸増商事委託時には、運転手の不適切な運行が複数回発生しました。
1. デマンドタクシー「きみぴょん号」
君津市東部の交通不便解消を目的に運行されています。2011年に小櫃・久留里地区でサービスを開始し、その後亀山地区にエリアを拡大しました。
2013年からは本格運行となり、運行委託事業者が鴨川日東バスから
大新東に変更されました。
トヨタ・ハイエースなどの
ワンボックスカーが使用され、予約が必要となります。
運行開始: 2011年(小櫃・久留里地区)、
2012年9月1日(亀山地区拡大)
運行委託:
大新東
運行エリア:
君津市東部(小櫃・久留里・松丘・亀山地区)
特徴: 予約が必要、回数券あり
2. デマンドバス「こいっとバス」
2022年8月から2023年3月まで、小糸地区で
スクールバスの空き時間を活用した実証実験が行われました。
運行期間: 2022年8月1日~2023年3月31日
運行エリア: 小糸地区
*
特徴:
スクールバスの空き時間活用、予約が必要
運賃
コミュニティバスは200円均一(小中高生・65歳以上・障害者は100円、未就学児は無料)、デマンドタクシーは利用登録者400円(小中高生・65歳以上は300円、小学生未満は無料)、非登録者500円です。共通回数乗車券も販売されています。
廃止路線
以前は亀山線を運行していましたが、
2012年9月1日に運行休止、
2012年9月30日にデマンドタクシー「
きみぴょん号」の本格運行開始に伴い正式に廃止されました。
まとめ
君津市の
コミュニティバスとデマンド交通は、地域住民の利便性向上に貢献しています。しかし、運行委託事業者の変更や不祥事、廃止路線などもあったように、課題も多く存在します。今後の更なる改善と発展が期待されます。