吹田八尾線

吹田八尾線の概要

吹田八尾線（すいたやおせん）は、大阪府の吹田市から八尾市を結んでいた路線バスで、多数の運行事業者が運営していました。この路線は、主に阪急バス、京阪バス、近畿日本鉄道（近鉄バス）、国鉄バスの4社によって運行されていました。

歴史的背景

吹田八尾線の運行は1958年に開始されました。この路線の開設は、1954年に鳥飼大橋が開通したことがきっかけとなりました。阪急、京阪、近鉄の3社がそれぞれ大阪市東郊にある複数の都市を結ぶ計画を立てていた一方で、国鉄も自身の貨物線を補うためにバス運行を申請して始まったのです。

当初は、南北を結ぶ重要な路線として利用者に好評を博しました。特に、吹田～八尾間の直通運行のほか、門真や守口、鴻池新田、八戸ノ里駅を経由する新しい便の設定がなされました。しかし、開通当初は狭い旧道を通っていたため、渋滞が頻発し、これが利用者の減少につながりました。

1980年代には、国鉄バスが運行地域を縮小し、門真市の松下厨房器前以北だけに減便されることとなり、ほかの事業者も徐々に運行を終了しました。特に1984年には、他の3社が全線運行を停止しました。

1987年の国鉄分割民営化を経て、国鉄バスは完全に運行を撤退し、1993年には阪急バスが門真市以南での運行を休止しました。さらに、1996年末には近鉄バスの八尾～千里丘間の運行も廃止される結果に。それに伴い、京阪バスも門真市への足を引き上げ、最終的には1997年に全線が廃止されました。

運行状況

吹田八尾線は、運行エリアが阪急バス、京阪バス、近鉄バスにまたがっていたため、運賃もそれぞれが異なる設定でした。また、一部の回数券や定期券は、複数の事業者の間で共通利用が可能でした。具体的な運行区間としては、JR吹田駅から八尾市役所前までが含まれており、各停留所は細かく設定されていました。

特に注目すべきは、運行系統の複雑さでした。国鉄バスは、かつての吹田駅から松下厨房器前までの運行を行っていましたが、1987年には運行が廃止されました。また、他のバス会社の運行便もそれぞれあり、運行が重複しているエリアや、一部停留所にはそれぞれの会社が定めた独自の運行系統が存在していました。

終焉と影響

結果として、1997年に大阪モノレールの延伸により多くの重複区間が失われ、吹田八尾線は最終的に運行の終了を迎えました。運行に関わった各社も、次第に周辺区間の公共交通の規模を縮小していくこととなります。このようにして、吹田八尾線は大阪府内の交通網の一部として長い歴史を刻んできましたが、地域の交通の変化に伴い廃止されることとなりました。

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