呂五十一型潜水艦

呂五十一型潜水艦（ろごじゅういちがたせんすいかん）

概要

呂五十一型潜水艦は、日本海軍において重要な艦級として知られています。この艦級は、イギリスのヴィッカース社が設計したL級潜水艦に基づいており、三菱造船（後の三菱重工業）がライセンス契約を経て日本で建造されました。1920年に竣工されたこの艦は、艦隊計画に基づき2隻が建造されましたが、その設計はL型潜水艦そのものを踏襲しており、多くの評価を得ていました。特に、耐波性、航洋性、居住性に優れている点が高く評価され、その後の改良型を生む基盤となりました。

この潜水艦の船体は、半複殻式の構造を採用しており、単殻と複殻を組み合わせた設計が特徴的です。この方式はサドルタンク式とも呼ばれ、耐圧殻である内殻の左右には主タンクが装備されています。このデザインは、後に建造される同系統の潜水艦全てに引き継がれました。

主機には、ヴィッカース式のディーゼルエンジン（1,200馬力）を2基搭載し、取り扱い面や信頼性の高さで好評を得ました。このエンジンは、その後のL型潜水艦においても広く採用され、特にL4型では信頼性が戦闘能力を支える要因となりました。これに対して、他の大正時代の潜水艦である海中型潜水艦はエンジンの信頼性に問題があり、呂五十一型潜水艦の重要性が際立ちました。

魚雷発射管は艦首に4基、さらに水線下の左右舷側に各1基の合計6基を装備しており、多様な攻撃能力を持っていました。これにより、当時の海上戦闘において効果的な任務を遂行することができました。

竣工当初から1930年代初頭にかけて、この艦級は目立った戦績は残さなかったものの、潜水艦の設計と建造において大きな意義を持っていました。1932年及び1940年にそれぞれ除籍されたものの、その技術的な貢献は後の潜水艦に引き継がれました。

同型艦

呂五十一型は、以下の2隻から構成されています。
1. 呂号第五十一潜水艦 - 1920年6月30日竣工し、当初は第二十五潜水艦として命名されました。1924年に改名され、1940年に除籍されました。
2. 呂号第五十二潜水艦 - 1920年11月30日竣工し、元々は第二十六潜水艦でしたが、同じく1924年に名前が改称され、1932年に除籍されています。

潜水隊の変遷

呂五十一型は2隻で構成されていますが、当初の配備では3隻定数の潜水隊に1隻が不足してしまいます。しかし、横須賀鎮守府に配備され、第3潜水隊として編成されました。その後、同様の潜水艦であるL2型の呂53が加わり、部隊の強化が図られました。

これら艦艇は、次第に変遷を経て配属先が変更され、1922年には呉鎮守府に転籍されることになります。1938年には解隊され、その際には所属艦が呉鎮守府部隊に移行しました。その後、1940年に呂51と呂53が除籍され、呂五十一型潜水艦の時代が一区切りついたことになります。

参考文献

この記事の情報は以下の文献を基にしています。

• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』（光人社、1990年）
• - 海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第一法規出版、1995年。

関連項目

• - 大日本帝国海軍艦艇一覧

以上のように、呂五十一型潜水艦は、日本海軍の潜水艦設計および運用史において重要な役割を果たした艦級です。

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