呂号第五百一潜水艦

呂号第五百一潜水艦の概要

呂号第五百一潜水艦（ろごうだいごひゃくいちせんすいかん）は、大日本帝国海軍に属する潜水艦で、ドイツ海軍のIXC40型Uボートの一隻、U1224が日本に引き渡されたものです。この潜水艦は、日本海軍によるインド洋での通商破壊の実行を目的としてドイツにより譲渡されましたが、その譲渡過程において無償譲渡を理解していた日本側と、有償だと考えたドイツ側との間には一時的な誤解が生じました。最終的には、アドルフ・ヒトラーの「贈り物」という言葉により、事態は平穏に収束しました。

艦歴

U1224としての歩み

ドイツでは、ハンブルクのドイチェ・ヴェルフトでU1224の建造が行われ、1942年11月30日に起工しました。1943年7月7日に進水し、同年10月20日に竣工した際にはゲオルク・プロウス大尉が艦長に任命されました。U1224は第31潜水隊群での訓練を経て出撃の準備を整えましたが、戦果を挙げるための哨戒活動を行う前に、日本海軍に譲渡されることが決定されたため、ドイツ艦としての戦歴は持ちませんでした。

日本海軍への譲渡

1944年2月15日、U1224は日本海軍に編入されて呂号第五百一潜水艦と命名されました。この時、乗田貞敏少佐が艦長に任命され、彼を含む4名の回航員がドイツ海軍の潜水艦学校で数ヶ月にわたり操艦訓練を受けました。この訓練により、彼らは潜水艦の運用技術を習得しました。

同年3月30日、呂501は日本に向けてキールを出港しました。艦艇内には、技術者の吉川春夫が設計したジェット機の資料が搭載されており、彼らはその貴重な情報を持ち帰る任務を担っていました。

戦闘と沈没

連合国軍は、暗号解読を通じて呂501の動向を把握し、護衛空母「ボーグ」を中心とする部隊を派遣しました。1944年5月13日、呂501は大西洋のカーボベルデ北西海域でアメリカ海軍の護衛駆逐艦「フランシス・M・ロビンソン」によって攻撃を受け、沈没しました。この攻撃により、乗員50名以上が戦死しました。

艦長の戦歴

呂号第五百一潜水艦の艦長である乗田貞敏少佐は、1944年2月15日から艦長を務めましたが、1944年8月26日に戦死が認定され、同日に任海軍中佐に昇進しました。

戦後の出来事

戦後の1965年3月、西ドイツの練習艦隊の乗組員たちは靖国神社の銀杏を持ち帰り、駐独日本大使が招かれる形で呂501の将兵たちの合祀祭が行われました。この際、キール軍港の慰霊塔にも植樹が行われ、1970年にはドイツ空軍総監のヨハネス・シュタインホフが返礼として樫の苗を靖国神社に奉納しています。

参考文献

• - 佐藤和正『艦長たちの太平洋戦争続篇』光人社、1984年
• - 新延明、佐藤仁志『消えた潜水艦イ52』日本放送出版協会、1997年

この潜水艦は、戦争の歴史の中で特異な位置を占めており、海軍の戦略や国際関係の変遷に深い影響を与えた事例の一つです。

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