呉竹 (駆逐艦)

呉竹（くれたけ）

呉竹は、日本海軍の駆逐艦であり、若竹型駆逐艦の2番艦に該当します。この艦艇は、株式会社川崎造船所で建造され、1922年の10月に進水しました。その際の艦名は「第四駆逐艦」とされ、12月21日には正式に竣工を迎えます。進水から数年後の1924年には「第四号駆逐艦」に艦名が変更され、続いて1928年には「呉竹」と改名されました。

艦歴

呉竹の艦歴は多岐にわたります。特に注目すべきは、1932年12月5日に発生した暴風雨による早蕨の乗組員を救援したことです。この勇敢な行動は、呉竹の名を歴史に刻む重要な出来事となりました。さらに、1941年に太平洋戦争が勃発すると、呉竹は呉鎮守府に所属し、シンガポール方面の船団護衛に従事しました。

呉竹は1943年11月13日に、船団護衛中にアメリカの潜水艦「トリガー」に対して爆雷攻撃を行い、その戦果で敵艦に損害を与えたと伝えられています。しかしその後、1944年12月30日に明らかになった運命は厳しく、バシー海峡にてアメリカの潜水艦「レザーバック」からの魚雷攻撃を受け沈没してしまいました。これにより、呉竹の艦歴は幕を閉じることとなります。

歴代艦長

呉竹には多くの艦長が就任し、その中には著名な指揮官も含まれています。以下は主な艦長の一覧です。

• - 艤装員長

- 佐野哲 少佐（1922年11月1日 - 12月21日）

• - 駆逐艦長

- 佐野哲 少佐（1922年12月21日 - 1923年8月13日）
- 戸須賀千之 少佐（1923年8月13日 - 1924年12月1日）
- 森口重市 少佐（1924年12月1日 - 1925年12月1日）
- 福田良三 少佐（1925年12月1日 - 1926年12月1日）
- 野末信次郎 少佐（1926年12月1日 - 1927年3月15日、兼任）
- 藤田俊造 大尉（1927年3月15日 - 1929年11月30日）
- 古村啓蔵 少佐（1929年11月30日 - 1930年11月15日）
- 倉永恒記 大尉（1930年11月15日 - 1931年4月1日、兼任）
- 市坪正雄 大尉（1931年4月1日 - 1931年10月12日）
- 北村昌幸 少佐（1931年10月12日 - 1934年11月15日）
- 馬場曻 大尉（1934年11月15日 - 1935年10月31日）
- 勝見基 少佐（1935年10月31日 - 1936年12月1日）
- 小滝久雄 少佐（1936年12月1日 - 1937年12月15日）
- 吉井五郎 少佐（1937年12月15日 - 1938年1月2日、兼任）
- 井手元男 少佐（1938年1月2日 - 1938年6月1日）
- 橋本金松 大尉（1938年6月1日 - 1939年7月20日）
- 藤田淳 大尉（1940年10月15日 - 1941年9月10日）
- 鹿嶋正徳 少佐（1941年9月10日 - 記載なし）
- 古谷卓夫 少佐（1942年10月20日 - 記載なし）
- 田中弘国 大尉（1943年1月13日 - 記載なし）
- 吉田宗雄 少佐（海兵62期、1944年3月10日 - 1944年12月30日戦死）

参考文献

• - 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。
• - 木俣滋郎『潜水艦攻撃　日本軍が撃沈破した連合軍潜水艦』光人社、2000年。

呉竹は、艦に乗った乗員たちの記憶と共に日本の海軍史に刻まれる存在であり、その艦歴は多くの胸締め付けられるエピソードを含んでいます。

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