呉郡

呉郡（ご-ぐん）とは

呉郡は、中国にかつて存在した郡であり、後漢時代から唐時代にかけて、現在の江蘇省と浙江省にまたがる地域に設置されていました。

呉郡の歴史

129年（後漢の永建4年）に、会稽郡を分割して呉郡が設置されました。当時の呉郡は揚州に属し、呉・海塩・烏程・余杭・毗陵・丹徒・曲阿・由拳・安・富春・陽羡・無錫・婁の13県を管轄していました。

晋の時代になると、呉郡は呉・嘉興・海塩・塩官・銭唐・富陽・桐廬・建徳・寿昌・海虞・婁の11県を管轄するようになりました。

南朝宋の時代には、呉・婁・嘉興・海虞・海塩・塩官・銭唐・富陽・新城・建徳・桐廬・寿昌の12県を管轄していました。

南朝斉の時代も、呉・婁・海虞・嘉興・海塩・銭唐・富陽・塩官・新城・建徳・寿昌・桐廬の12県を引き続き管轄しました。

南朝陳の時代には、呉州が置かれ、呉郡は呉州に属するようになりました。

589年（隋の開皇9年）に隋が南朝陳を滅ぼすと、呉郡は廃止され、蘇州に編入されました。しかし、605年（大業元年）に蘇州が呉州と改称され、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、呉州は呉郡と再び改称されました。この時の呉郡は、呉・崑山・常熟・烏程・長城の5県を管轄していました。

621年（唐の武徳4年）に唐が李子通を平定すると、呉郡は蘇州と改められました。742年（天宝元年）には再び蘇州が呉郡と改称されましたが、758年（乾元元年）に呉郡は蘇州と改称され、以後、呉郡の呼称は歴史から姿を消しました。

このように、呉郡は時代によって所属や管轄する県を変化させながら、中国の歴史の中で重要な役割を果たしました。

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