告白 (アウグスティヌス)

『告白』（羅: Confessiones）は、4世紀後半にヒッポのアウグスティヌスによって著された自伝であり、彼の著作の中でも特に広く読まれています。この作品は、アウグスティヌスが青年時代に doświadczył 罪深い生活から、キリスト教への目覚めと回心に至るまでの過程を詳細に描き出しています。

概要

『告白』は、西洋文学における最初期の自伝の一つとして位置づけられ、その後の中世を通じて、キリスト教作家たちに強い影響を与えました。ただし、本書はアウグスティヌスの生涯全体を網羅したものではなく、彼が40歳頃までの経験と内省に焦点を当てています。アウグスティヌスはその後も長く生き、重要な著作である『神の国』を晩年に著しましたが、『告白』は彼自身の思考の進化を記録した貴重な資料であり、4世紀から5世紀にかけての一人の人間の内面を深く理解するための鍵となります。

本書では、アウグスティヌスが過去の罪深い生活、特にマニ教への信仰や占星術への傾倒を深く悔いている様子が描かれています。彼は占星術の誤りや有害性を指摘し、友人たちの言葉を通じてキリスト教への理解を深めていきます。また、性的な罪に対する後悔の念を吐露し、道徳の重要性を強調しています。興味深いことに、彼は学校で数学を好んでいた理由として、その厳密さと確実性を挙げています。さらに、『告白』は三位一体の教義を象徴的に表現した章を含んでいると考えられています。

構成

『告白』は全13巻で構成され、内容的には自伝的な部分（第1巻〜第9巻）と神学的な部分（第10巻〜第13巻）の二つに大きく分けられます。後半部分では章の数が大幅に増加しています。

第1巻 - 第9巻: アウグスティヌスの誕生から回心、そして母モニカの死までが描かれます。幼少期の罪や怠惰、放蕩生活、マニ教との出会いと決別、カトリックへの接近、霊肉の葛藤、受洗などが詳細に語られます。
第10巻 - 第13巻: アウグスティヌス自身の現状に対する観察や批判、時間論、『創世記』の解釈、三位一体の教義など、神学的な考察が展開されます。

内容

『告白』の前半では、アウグスティヌスが過去の罪深い生活を率直に告白し、盗みや学業への意欲の欠如など、自身の不都合な側面も隠さずに語っています。しかし、彼は単なる快楽主義者ではなく、マニ教に関心を寄せた後、ローマで新プラトン主義に出会い、哲学の研究に没頭しました。その結果、『神の国』や『三位一体論』といった重要な著作を生み出すことになります。

また、母親モニカとの関係、階級の異なる女性との恋愛（後に信仰の妨げになると判断して別離）、友人の死に直面して自身の死を恐れる心境など、人間的な感情も率直に描写されています。後半部分では、時間論や聖書の解釈、天地創造以前の神の状態など、抽象的なテーマが議論されています。

『告白』は、カトリックやプロテスタントだけでなく、デカルト、カント、ニーチェ、ハイデガー、ウィトゲンシュタインなど、多くの哲学者に影響を与え、考察の対象となってきました。この作品は、アウグスティヌスの内面世界を深く探求するだけでなく、人間の存在や信仰、時間といった普遍的なテーマについて考察するための貴重な資料となっています。

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