周公黒肩

周公黒肩（しゅうこうこくけん）は、生年不詳ながら紀元前694年に没したとされる、東周時代初期の周の王族です。

出自と背景

周公黒肩は、姓を姫（き）、諱を黒肩といい、周の王族の一員であり、周公旦（しゅうこうたん）の子孫であると伝えられています。周公旦は、周王朝の創設期に活躍した重臣であり、その血筋を受け継ぐ黒肩もまた、周王朝において重要な立場にあったと考えられます。

繻葛の戦いでの活躍

紀元前707年、周の桓王（かんおう）が諸侯を率いて鄭（てい）を攻撃した際、黒肩は周軍の左軍を指揮しました。この戦いは繻葛（じゅかつ）の戦いとして知られ、周軍は鄭軍に大敗を喫しました。この戦いでの黒肩の具体的な活躍については詳細が不明ですが、周軍の重要な一翼を担っていたことは間違いありません。この戦いの敗北は、周王朝の権威が著しく失墜するきっかけとなりました。

荘王殺害計画と最期

紀元前694年、黒肩は周の荘王（そうおう）を殺害し、その弟である王子克（おうしこく）、後の儀叔克（ぎしゅくこく）を新たな王に立てようと計画しました。しかし、辛伯（しんぱく）という人物がこの計画を荘王に密告したため、黒肩は捕らえられ誅殺されました。黒肩の死後、王子克は燕（えん）の国へと亡命しました。この事件は、周王朝内部における王位継承を巡る激しい権力闘争を象徴する出来事であり、黒肩の悲劇的な最期は、当時の政治情勢の混乱を物語っています。

歴史的意義

周公黒肩は、周王朝の衰退期にあって、その内部抗争に深く関与した人物として、歴史に名を残しました。彼の行動は、周王朝の権威が失墜し、諸侯の力が強大化していく過程を浮き彫りにしています。また、周公旦の子孫でありながら、王を殺害しようとしたという事実は、当時の王室の混乱ぶりを如実に表しています。彼の生涯は、周王朝の変遷を考察する上で、重要な手がかりとなるでしょう。

参考文献

黒肩に関する記述は、『史記』の周本紀や『春秋左氏伝』の桓公5年、18年などの史書に見られます。これらの史書は、当時の政治情勢や人物像を理解する上で、貴重な資料となります。

『史記』周本紀
『春秋左氏伝』桓公5年、18年

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