周斕

周斕: 軍人・政治家の歴史

周斕（しゅうらん、1891年 - 1953年）は、中華民国時代において、軍人および政治家として活動した。彼は湖南省出身で、最終的には湖南軍（湘軍）の中で重要な役割を果たした。周の活動は、学問から軍事へとシフトし、数々の影響力を持つ上官と同盟を結んでいく過程が印象的である。特に唐生智との関係は周のキャリアに多大な影響を与えた。

軍人としてのキャリアの始まり

周斕は初め、学問の道を志していたが、1907年に軍人の道に入り、湖南陸軍小学に転校する。その後、武昌陸軍第三中学に進学し、学業の傍らで中国同盟会に加盟した。中華民国成立後の1914年には保定陸軍軍官学校で歩兵科にて学び、国民党に入党。卒業後は地元に戻り、湘軍での昇進を果たす。唐生智を上司に持ち、彼の信任を得て腹心としての地位を確立した。

湘軍における顕著な役割

1923年、唐生智が湘軍第4師の師長となると、周も同師の参謀長に任命される。その後、1925年には湘軍第5旅の旅長に昇進し、1926年には国民革命軍第8軍の教導師師長となった。北伐に参加した1927年には、国民革命軍第12軍軍長を偽って迎え入れ、脅威とされていた袁祖銘を排除するなど、辣腕を振るった。

反蔣戦争と兵権の変遷

反蔣戦争の最中、周は湖北省政府主席に留任しつつ国民革命軍第17軍軍長となる。しかし、蔣介石との関係により後に兵権を剥奪され、新広西派に転じた。中原大戦では一時長沙を攻略するが、敵対する湖南省政府に敗退し、再び下野となる。再び唐の配下として復帰し、1936年には陸軍少将の位を授与された。

南京防衛戦とその後

日中戦争の勃発後、周は南京衛戍司令部の参謀長に就任し、南京防衛戦において唐生智と共に作戦を指導した。任務中に負傷しながらも、残軍の退却指揮をするなど現場での貢献は大きかった。その後、職務から罷免されたが、湖南省政府に再呼び出され、行政的な役割を果たす。

1949年、国共内戦の末期に共産党への起義が計画され、周もその中心メンバーとなるが、中华人民共和国成立後は心臓病を患い、長沙市で療養することとなった。1953年にそこで逝去、享年63歳。

周斕の生涯は、軍事・政治の変遷と彼の忠誠心、戦時下での狡猾な策略がいかに彼の地位を形成したかを示す重要な事例である。彼の名は今日でも中華民国の歴史の中で特異な存在として記憶されている。

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