周述

周述（しゅう じゅつ、生年不詳 - 1437年）は、明代に活躍した官僚であり、字を崇述、号を東墅と名乗りました。彼の出身は吉州吉水県です。

生涯

周述は1404年（永楽2年）に従弟の周孟簡と共に進士に及第し、その才能を認められました。永楽帝は自ら彼らに策問を行い、その結果、二人揃って翰林院編修という要職に任じられました。これは、周述の官僚としてのキャリアの輝かしいスタートとなりました。

翌1405年（永楽3年）1月には、解縉が永楽帝の命を受け、曾棨ら28人を選抜して文淵閣で読書をさせると、周述も周孟簡と共にそのメンバーに選ばれました。この選抜は、当時の知識人の中でも特に優れた人材が集められたものであり、周述の学識の高さを示すものでしょう。

1414年（永楽12年）8月には、楊溥と共に応天府での科挙試験の主考官を務めました。科挙は、官僚を登用するための重要な試験であり、その主考官を務めることは、周述が朝廷から厚い信頼を得ていた証拠と言えるでしょう。この役職は、公正かつ厳格な試験運営を求められるものであり、周述の責任感と公平さが評価されていたことが窺えます。

また、周述は永楽帝の北巡に扈従し、その間に左春坊諭徳にまで昇進しました。左春坊諭徳は、皇太子の教育や補佐を司る重要な役職であり、周述が永楽帝だけでなく、皇太子からも信頼されていたことを示しています。彼の学識と人柄が、この昇進を後押ししたと考えられます。

1424年（永楽22年）に洪熙帝が即位すると、周述は皇太子朱瞻基（後の宣徳帝）に従って南京の陵墓を参拝しました。これは、皇太子との密接な関係を示しており、彼が朝廷内で重要な役割を果たしていたことを示唆しています。皇太子の側近として、政治や儀式に関わったことでしょう。

1430年（宣徳5年）5月には、左庶子に進みました。左庶子は、皇太子の側近として、様々な業務を補佐する役職であり、周述の政治手腕が更に評価されたことを物語っています。

その後、1435年（宣徳10年）7月には、苗衷と共に再び応天府での科挙試験の主考官を務めました。これは、周述がその経験と知識を活かして、後進の育成に尽力していたことを示しています。

1437年（正統2年）10月、周述は在官のままこの世を去りました。彼の死は、明朝の官僚の一つの時代が終わったことを意味するでしょう。彼の生前の功績は、後世に語り継がれることになりました。

周述の著書として、『東墅集』が存在しました。これは、彼の文才と学識を示す重要な資料であり、彼の思想や文学的な才能を後世に伝える役割を果たしました。

参考文献

* 『明史』巻152 列伝第40

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