命果てるまで

UNICORN「命果てるまで」

「命果てるまで」は、1990年10月21日にリリースされたUNICORNの4枚目のシングルです。作詞・作曲は奥田民生、プロデュースはUNICORN名義となっています。アルバム『ケダモノの嵐』からのリカットとして発表されました。

楽曲について

この曲は、当初ストレイ・キャッツのようなロックンロールとして構想されましたが、最終的には加山雄三のイメージを取り入れたハワイアンミュージックの要素が加えられ、独特の雰囲気を醸し出しています。歌詞は、ラブホテルに滞在する男女を描いたもので、奥田民生ならではのユーモラスな視点が光ります。

レコーディングでは、映画『第三の男』のテーマ曲を口笛で演奏するために、専門の演奏家が参加したというエピソードも残っています。

音楽性と歌詞

阿部義晴によれば、デモテープの段階ではロックンロール色の強い楽曲でしたが、ハワイアンミュージックの要素を取り入れたことで、楽曲の印象が大きく変わったとのことです。奥田民生は、ボーカルを2重に重ね、片方のテンポを上げるという手法を用いています。歌詞については、奥田自身が「本人が爽やかにナンパしてるってカンジ」と表現しています。

音楽誌では、テレフォンクラブブームを背景にした楽曲であると推測され、ラブホテルの描写やウクレレの音色から「うさんくささ炸裂」と評されています。また、『第三の男』のテーマ曲が挿入されたことで、女性ファンに敬遠されたという意見もあります。

ミュージック・ビデオ

「命果てるまで」のミュージック・ビデオは、前作に引き続き女性の裸体が登場するため、一部規制を受けました。監督は、映画『テキサス・チェーンソー』のリメイクを手がけたマーカス・ニスペルです。ビデオ内には、映画『ビギナーズ』のパロディも含まれています。

ビデオは、メンバーの登場頻度が低く、外国人によるシーンが中心となっています。制作時には、日本とアメリカの表現規制の違いが話題となりました。ニスペル監督は、規制の緩さから自由に撮影できたと語っていますが、アメリカにはラブホテルが存在しないため、歌詞の内容を理解してもらうのに苦労したようです。SMの要素が加わったことについて、メンバーは困惑した様子を語っています。

チャート成績

オリコンチャートでは最高10位を記録し、6.8万枚を売り上げました。

収録曲

1. 命果てるまで
2. PTA〜光のネットワーク〜

収録アルバム

『ケダモノの嵐』（1990年）
『THE VERY RUST OF UNICORN』（1994年）
『STAR BOX』（1999年）
『ULTRA SUPER GOLDEN WONDERFUL SPECIAL ABSOLUTE COMPLETE PERFECT SUPREME TERRIFIC ULTIMATE...』（2002年）
『Quarter Century Single Best』（2012年）

参加ミュージシャン

奥田民生
阿部義晴
堀内一史
手島いさむ
西川幸一
* 堀口博雄（口笛）

「命果てるまで」は、UNICORNの独特な世界観が凝縮された楽曲であり、ミュージック・ビデオとともに、彼らの創造性を堪能できる作品となっています。

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