和歌山電鐵2270系電車

和歌山電鉄2270系電車

和歌山電鉄2270系電車は、和歌山電鉄が所有する通勤形電車で、1995年に南海電気鉄道によって貴志川線向けに改造された車両です。この電車は、2006年に同線が和歌山電鉄に移管された際に引き継がれ、独自の内外装への改造が進められました。

概要

南海22000系電車からの改造車として、貴志川線の近代化・合理化の一環で投入されました。南海22000系は、当初貴志川線において1201形を置き換えるために使用された車両です。2006年4月1日、貴志川線の運営が和歌山電鉄に移管されると、2270系6編成が引き継がれ、以降独自のリニューアル工事が施されています。

車両構造

2270系電車の奇数車両はクハ2701形、偶数車両はモハ2271形となり、2両編成を形成します。各編成は2701-2271から2706-2276までの12両が含まれ、通常「2271F」から「2276F」のラベルが付けられています。

改造内容には、以下のような特徴があります：

• - 電装解除して制御車化し、1M1T編成に変更
• - 前面は非貫通化
• - 側面の方向幕を撤去
• - ワンマン運転のための各種設備を追加
• - 新たな扉配置やドア操作スイッチの導入

また、2270系電車は、製造当初から複電圧に対応しており、2012年の貴志川線の1500V昇圧以降もそのまま運用されています。

リニューアル列車

和歌山電鉄は、内外装をユニークに改造した列車を「リニューアル列車」として運行しています。プロデュースは水戸岡鋭治によって行われ、大阪車輌工業による施工がなされました。

最初のリニューアル車両「いちご電車」（2271F）は、2006年8月6日から運行を開始しました。この車両は、地元の特産品であるイチゴをモチーフにしたデザインで、客室内はイチゴの柄が施されたシートが使用されています。さらに、就業支援活動として地域の支援を受けていることでも注目されました。

次に「おもちゃ電車」（2276F）は、子供向けの遊び心溢れるデザインで装飾されていますが、2021年9月に運行を終了しました。「たま電車」（2275F）は猫の駅長「たま」をテーマにした車両で、内装は猫を意識したデザインが施されています。さらに「うめ星電車」（2273F）は、梅をテーマにした特別デザインが施されています。

他にも「おかでんチャギントン」ラッピング電車や、「たま電車ミュージアム号」なども運行され、地域の文化や特産品を感じられる魅力的な列車として人気を博しています。

運行状況

現在、2270系電車は日中の運行において、6編成中の3～4編成が使用されています。運行情報は和歌山電鉄の公式サイトで確認することができ、地域の利用者にとって重要な交通手段となっています。運行開始当初から続くリニューアルプロジェクトは、地域貢献、地域振興の一環としても評価されており、多くの利用者に親しまれています。

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