和田光史

和田光史（わだ こうじ）

和田光史は、1928年11月7日に東京府に生まれた日本の土壌学者であり、九州大学の第19代学長を務めた人物です。彼は九州大学の名誉教授であり、日本学士院の会員に選ばれるなど、その業績は学術界において広く認知されています。

学歴と職歴

和田は福岡県立修猷館高等学校を卒業後、1951年に九州大学農学部農芸化学科を卒業しました。その後、同大学院へ進み、1953年9月には助手として勤務を開始し、1954年3月には助教授に昇進しました。この間にウィスコンシン大学で留学し、そこでの経験が彼の研究に深い影響を与えました。1975年には九州大学農学部の教授に就任し、1987年には農学部長、1991年には九州大学の学長に就任しました。さらに「総長」という職が復活した際には、彼がその職を引き継ぎました。

研究活動

和田光史の初期の研究は、カオリン鉱物の層間複合体の形成に関するもので、その成果は国際的にも高く評価されています。特に、食料生産の向上に貢献するための黒ボク土壌（火山灰土壌）の調査は、アロフエンとイモゴライトに関する研究へと進展しました。1960年には「アロフエン及びハロイサイトのイオン吸着」に関する研究で学位を取得し、さらに1961年4月に日本土壌肥料学会賞を受賞しました。

その後も和田の研究は多方面にわたり、1981年には「黒ボク土の鉱物化学的研究」で日本農学賞と読売農学賞を受賞。1997年にはアメリカ粘土鉱物学会から粘土科学パイオニア賞を授与され、2000年には「火山灰土壌の粘土鉱物の解析とその農業生産性に関する研究」が評価され、日本学士院賞を受賞しました。2000年12月には、日本学士院の会員に選ばれ、その業績が広く認知されることとなりました。

学会活動と受賞歴

和田は学術団体においても積極的に活動しており、1985年には日本粘土学会の会長、1988年には日本土壌肥料学会の会長を務めました。また、1990年9月には国際粘土研究連合の副会長も歴任し、国際的な学術活動にも貢献しました。

1995年11月に九州大学の総長を退任した後は、2000年4月から長崎国際大学の初代学長に就任し、その後の教育活動に尽力しました。2003年11月には瑞宝大綬章を受章し、これまでの貢献が評価される形となりました。

結論

和田光史は、火山灰土壌の研究を通じて日本の農業の発展に大きく寄与し、学術界においても多くの業績を残した土壌学者です。その研究は現在も多くの学者に影響を与え続けています。

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