和田山バイパス

和田山バイパスの概要

和田山バイパス（わだやまバイパス）は、兵庫県朝来市の和田山町桑原から同市の和田山町土田にかけて延びる国道9号のバイパスです。この道路は、全長3.5キロメートルにわたり、現在では国道9号の本道として多くの交通を支えています。

歴史的背景

1960年代に入り、兵庫県内の交通量は大きく増加しました。特に、国道9号と県道姫路豊岡線（現在の国道312号）が交差する和田山町から八鹿町間では、渋滞が深刻な問題となっていました。この区間は約12キロメートルほどの距離であり、特に年末年始やお盆時期の帰省ラッシュ、行楽シーズンには、和田山と八鹿を結ぶ道路で3時間から4時間もかかることが珍しくありませんでした。

このような帰省ラッシュや交通渋滞の解消を目指し、和田山バイパスの建設が決定されました。1968年（昭和43年）に事業が開始され、1972年（昭和47年）8月には供用が開始されました。

道路の構造

和田山バイパス工事では、道路建設のために小さな丘陵を削る計画がありましたが、その丘陵には歴史的価値のある城ノ山古墳が存在することが確認されました。そのため、古墳を保護するために、墳丘の下にトンネルが通される形で保存されることとなりました。

また、但馬最大の前方後円墳である池田古墳に関しては、墳丘への影響が大きかったため、当初の計画では上部に盛土して道路を建設する予定でしたが、容量を考慮して橋梁を設け、古墳をまたぐ形で道路が通されるようになりました。しかし、近年その橋梁は老朽化が進み、現在では盛土の上に道路が改良される形で通るようになっています。

交通状況

和田山バイパスは、地域の交通事情を大きく改善しました。2005年度の道路交通センサスによると、朝来市の和田山町和田山における平日24時間の交通量は15,025台に達しており、多くの車両がこのバイパスを利用して日常の移動を行っています。

現在の位置と周辺道路

和田山バイパスは、国道9号の重要な早道として位置づけられています。具体的には、京都・福知山方面からは山陰道が繋がっており、その後は八鹿バイパス、春来バイパス、蒲生バイパスへとつながっていきます。このように、和田山バイパスは兵庫県内の主要な交通の動脈となっています。

まとめ

和田山バイパスは、迅速な交通移動を可能にするために建設され、現在の交通状況を支える重要な道路です。また、古墳などの文化財の保存にも配慮した工事が行われ、多くの人々に利用されています。今後も地域の交通網を支え続ける重要な役割を果たすでしょう。

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