和田英作

和田英作の生涯と業績

幼年期と青年期

和田英作（1874年12月23日 - 1959年1月3日）は、鹿児島県で生まれた洋画家で、後に教育者としても知られる。彼の父親は牧師で、1881年には家族と共に上京し、東京での生活を始めた。少年時代から美術に興味を示し、明治学院で洋画の基礎を学ぶ。在学中、洋画に魅了され、1891年に中退。彼はその後、曽山幸彦の洋画塾に入塾し、彼の死後は原田直次郎のもとで学んだ。

ヨーロッパ留学

1898年、英作はフィッシャー夫妻に通訳として同行し、約半年間日本各地を巡った。この経験がさらなる芸術的成長を促した。その後、文部省からの命令で1900年にフランスに留学し、アカデミー・コラロッシで木炭画や油絵を学ぶ。帰国後、東京美術学校で教授として教鞭を執りながら、優れた作品を残していくことになる。

日本帰国後

彼は1904年から1914年にかけて、各地の博覧会に出品し、評価を受けた。特に、1912年の『H夫人肖像』は高評価を得た。また、赤坂離宮や東京駅の壁画も手掛け、日本の美術界に多大な影響を与えた。文化勲章や各種受章も果たし、彼の存在は日本洋画壇において重要なものとなった。

東京美術学校校長

1932年、東京美術学校校長に就任し、後進の育成に尽力。多くの著名な作家を育て、学校の発展に寄与した。彼の指導のもと、学校は新たな美術教育を模索し続けたが、再改組に反対し、校長職を辞任。その後、名誉教授となり、制作活動は続けた。

晩年と影響

彼は1945年の疎開時代に新たな風景や静物を作品に残しながら、東京の中央画壇とも関係を持ち続けた。1951年、富士山を描きたいと願い、静岡県に移住。彼の作品は生涯を通じて写実的スタイルを貫き、特に肖像画や風景画で高く評価された。1959年、逝去。彼の死は「明治の洋画の終焉」とも言われ、近代洋画界の大きな象徴となった。

作品と評価

和田の描いた作品は、外光派的な写実主義を基盤にしたもので、多岐にわたり地域の風景や静物などが含まれる。特に、明治美術会展や白馬会展、さらには後の文展等に数多く出品し、その風景画や静物画は今でも多くの人々に愛されている。彼の影響は次世代の作家にも引き継がれ、今日の美術界にまでその足跡を残し続けている。

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