外光派

外光派（がいこうは）

外光派とは、主に自然光のもとでの色彩表現を重視し、屋外での写生を行う画家たちのことを指します。この名称は特に印象派に関連付けられることが多いですが、広い意味では自然光を扱う全ての画家に広がる概念です。

歴史的背景

19世紀中盤まで、風景画の制作は一般的に屋外で風景の取材を行った後、画室に戻ってから仕上げるという手法が取られていました。このため、色彩は固定観念に縛られ、多くの場合暗い茶褐色のトーンが使用されていました。しかし、次第に明るい自然光を捉えた作品が増えていくと、それを表現するための明るい色合いを用いる画家たちが現れました。これが後の外光派の基礎となるのです。

また、印象派の影響を受けて活発に屋外での活動を始めた画家たちも、外光派の一環として位置づけられることがあります。

各国の外光派

イギリス

ジョン・コンスタブルは自然光による風景の変化を表現し、鮮やかな色彩で描くスタイルを確立しました。ターナーもまた、独自の光や空気感を利用した技法で自然の表情を表現し、彼らのアプローチは後の外光派に大きな影響を与えました。

イタリア

イタリアでは、ジョヴァンニ・セガンティーニが初期の写実主義から離れ、点描画法を取り入れることで光の効果を見事に表現しました。この技法はその後の画家たちにも広がりを見せました。

フランス

フランスでは外光派に先駆けてバルビゾン派があり、特にシャルル＝フランソワ・ドービニーやヨハン・ヨンキントが著名です。さらに、外光派のフランスの画家ラファエル・コランは、日本の画家たちに大きな影響を与えました。彼の指導を受けた黒田清輝や岡田三郎助は、帰国後に日本洋画界において重要な役割を果たしました。

日本

明治初期、日本において外光派の影響を受けた黒田清輝、岡田三郎助、久米桂一郎らは、白馬会を結成し、外光派の技法を広めました。黒田は明治美術会を脱会し、1896年には東京美術学校の西洋画科を通じて外光派の考え方を広めました。彼らの明るい物質感の表現は、多くの若手画家に共感を呼び、明治時代の日本画壇における主流となっていきました。白馬会は1910年に解散しましたが、そのメンバーの中には後に光風会を結成する中澤弘光や杉浦非水がいました。

終わりに

外光派は、自然光を持ちいた表現技法によって風景画を進化させた重要な画派であり、各国の、特に日本の美術界にも深い影響を与えました。この動きは、単なる技術革新に留まらず、画家たちの精神や表現を豊かにし、結果として絵画表現の多様性を促進したのです。

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