哀愁の花びら

映画『哀愁の花びら』解説

『哀愁の花びら』（原題：Valley of the Dolls）は、1967年に公開されたアメリカ映画。マーク・ロブソンが監督を務め、バーバラ・パーキンス、パティ・デューク、シャロン・テートらが出演しています。

公開当時は批評家から酷評されたものの、その過剰なドラマ性と野蛮な感性から、後年カルト的な人気を獲得しました。華やかなショービジネス界を舞台に、若い女性たちが成功、愛、そして破滅へと向かう姿を描いています。

ストーリー

物語は、コネチカットの田舎町からニューヨークへとやってきたアン・ウェルズが、芸能エージェンシーで秘書として働き始める場面から始まります。彼女の最初の仕事は、大物歌手ヘレン・ローソンの契約を取り付けることでした。ヘレンは、自分の舞台から新人女優のニーリー・オハラを降板させることを条件に契約を承諾します。

その後、アンたちのサポートによってニーリーはスターダムを駆け上がり、マネージャーのメル・ミラーと結婚します。また、ニーリーの友人であるグラマー女優のジェニファー・ノースもハリウッドで人気女優となります。一方、アンは社長補佐のライオン・バークと関係を持ち、一度は同棲を断るものの、最終的には彼と同棲を始めます。

しかし、ニーリーは人気を得るにつれて傲慢になり、メルと離婚。酒や薬物の乱用によって仕事に支障をきたし、精神病院へ入院してしまいます。ジェニファーは、夫トニーの治療費を稼ぐためにポルノ映画に出演しますが、乳がんに罹患し、乳房を切除せざるを得なくなり、絶望の末に自殺します。精神的にも肉体的にも不安定になったニーリーは、テッドとも別れ、アンの恋人だったバークを寝取ります。そして、自分の地位を脅かす新人たちをショーから排除するようになります。再び酒と睡眠薬に溺れた彼女は、劇場裏の路地で倒れているところを発見されます。

全てを失ったアンは故郷へ戻り、そこでバークと再会しますが、彼との復縁を拒み、故郷で一人で生きていくことを決意します。

キャスト

アン・ウェルズ：バーバラ・パーキンス
ニーリー・オハラ：パティ・デューク
ジェニファー・ノース：シャロン・テート
ライオン・バーク：ポール・バーク
メル・ミラー：マーティン・ミルナー
ヘレン・ローソン：スーザン・ヘイワード

スタッフ

監督：マーク・ロブソン
製作：デヴィッド・ワイスバート
原作：ジャクリーン・スーザン
脚本：ヘレン・ドイッチュ、ドロシー・キングスレイ
撮影：ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽：ジョン・ウィリアムズ

映画の特徴

『哀愁の花びら』は、華やかなショービジネス界の裏側にある人間の欲望、嫉妬、そして薬物依存といった暗い側面を容赦なく描き出しています。成功を夢見る女性たちが、次第に破滅へと向かっていく姿は、観る者に強い印象を与えます。また、シャロン・テートの美しさも特筆すべき点です。

関連作品

ワイルド・パーティー：ラス・メイヤー監督による映画作品。元々は本作の続編として企画されましたが、最終的には非公式のパロディ作品となりました。

外部リンク

哀愁の花びら - 映画.com
哀愁の花びら - allcinema
哀愁の花びら - KINENOTE
Valley of the Dolls - IMDb（英語）
Valley of the Dolls - Rotten Tomatoes（英語）

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