品田雄吉

品田 雄吉

品田 雄吉（しなだ ゆうきち、1930年2月3日 - 2014年12月13日）は、日本の著名な映画評論家であり、映画界に多大な貢献を果たしました。その生涯は、映画に情熱を注ぎ、評論家としてだけでなく教育者としても活躍したことが特色です。

経歴

北海道留萌管内遠別町に生まれました。彼の家系には、著名な仏文学者であり早稲田大学の名誉教授である兄、品田三和一良がいます。品田は北海道札幌西高等学校を経て、北海道大学法文学部国文学科を卒業しました。在学中に『キネマ旬報』の編集者、荻昌弘に見出され、同誌の懸賞論文で評価を得たことがきっかけで、1953年に同社に入社しました。最初は「キネマ旬報」の編集部に配属され、その後「映画旬刊」や「映画評論」の編集にも関与しましたが、1965年にはフリーの映画評論家として独立しました。

その後、1989年より多摩美術大学で教授として教壇に立ち、後に名誉教授の称号も授與されました。また、日本芸術文化振興会や国立美術館運営委員会、映画祭の審査など、多くの文化事業に関与し、映画界の発展に寄与しました。特に、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭や川喜多記念映画文化財団でも重要な役割を果たしました。彼の妻も映画評論家であり、ドキュメンタリー映画監督の田中千世子です。

惜しくも2014年12月13日、肺がんにより84歳でこの世を去りましたが、彼の死後も数々の功績が評価され、山路ふみ子文化財団の特別賞や日刊スポーツ映画大賞の特別功労賞を受賞しました。

主な活動履歴

品田の映画業界での活動は多岐にわたり、ここではその一部を紹介します。

• - 多摩美術大学教授（1989年 - 2000年3月）
• - 第4回東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門 審査員（1991年）
• - 優秀外国映画輸入配給賞 審査委員長（2003年）
• - 毎日映画コンクール 審査員（2005年）
• - 黒澤明賞 審査委員長としての活動（2005年 - 2007年）
• - TOYOTA Earth Grand Prix 審査員（2011年）

著書

彼は映画に関する著書も数多く手がけており、特に以下の著作が知られています。

• - 『監督のいる風景』 （日本アートシアターギルド、1986年）
• - 『銀幕の恋人たち』 （ミリオン書房、1988年）
• - 『シネマの記憶から 名優・名監督と映画評論家の五十年』 （角川マガジンズ、2008年）

その他にも、映画雑誌への寄稿や研究書の監修など、多彩な活動を行っていました。特に有名な談話記録や海外文学の翻訳も手がけています。

結論

品田雄吉は、日本映画の発展と映画文化の普及に寄与した重要な映画評論家であり、その影響力は今後も色あせることはありません。彼の業績と情熱は、映画ファンや後進の評論家たちに受け継がれていくことでしょう。

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