唐叔虞

唐叔虞とは

唐叔虞（とうしゅくぐ）は、中国周の王族であり、晋の前身である唐の初代君主です。彼の名は虞、また字は子于です。青銅器「叔夨方鼎」の銘文によれば、彼の名前は夨と書かれています。彼の生涯には多くの歴史的逸話があり、興味深い背景が存在しています。

出生と家系

唐叔虞は周の武王と邑姜との子供として生まれました。その誕生には特異な物語があります。邑姜が彼を妊娠中、夢の中で天帝が現れ、「その子を虞と名付け、唐の地を与え、その子孫を育てるように」とのお告げを受けたとされています。実際に生まれた際、彼の手には「虞」の形の掌紋があったため、彼はその名で呼ばれるようになりました。

唐の封じ

武王が亡くなると、息子の成王が即位します。しかし、その直後に唐において反乱が発生し、周公旦がその反乱を鎮圧しました。ある日、成王は叔虞とともに遊び、桐の葉を削って珪を形作り、叔虞に渡しました。「汝をここに封じよう」との言葉が成王から発せられましたが、成王は冗談だと考えていました。この際に太史の尹佚が日付を選び、叔虞を国君に立てるように提案します。成王が最初は「冗談だ」と言うと、尹佚は「天子の言葉は冗談ではありません。それは歴史官によって記録され、礼官が実行し、楽官が歌うのです」と反論しました。このことにより、成王は叔虞を唐国の君主として封じることを決定しました。

唐の地

唐は黄河と汾水の東側に位置し、周囲百里四方の国でした。このため、彼は「唐叔虞」と呼ばれるようになったのです。彼の統治は唐の未来を大きく左右するものであり、彼の子である燮が彼の後を継ぎました。

まとめ

唐叔虞の人生は、神秘的な誕生の背景と運命的な王の道を歩んだことから、多くの人々に記憶されています。周の王族としての彼の地位や唐国の家督を受け継いだ彼の子燮は、後の世にも影響を及ぼしました。唐叔虞の遺産は、今なお語り継がれることでしょう。

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