問い合わせ文字

問い合わせ文字（ENQ）とは

コンピュータ通信において、問い合わせ文字（ENQ: Enquiry Character）は、受信側に対して応答を要求する制御文字の一種です。具体的には、接続が確立された状態で、送信側が受信側の存在や状態を確認するために使用されます。

問い合わせ文字の役割

問い合わせ文字は、受信側に対して「応答をしてください」という合図を送る役割を果たします。この信号を受け取った受信側は、自身が正常に動作していることを示すために応答を行います。この応答には、受信局の識別情報、使用中の機器の種類、および局の状態などが含まれることがあります。これは、ネットワーク上の通信が安定しているかどうかを判断する上で重要な役割を果たします。

テレタイプ端末における問い合わせ文字

一部のテレタイプ端末には、「プログラム可能な」ドラムが搭載されており、20〜22文字程度の応答メッセージを格納できました。このメッセージは、ドラムに刻まれたタブによってコード化されており、問い合わせ信号を受信した際に、またはキーボードの「Here is」キーを押すことによって、自動的に送信されるように設定できました。

コードにおける表現

問い合わせ文字は、異なるコード体系で異なる値が割り当てられています。例えば、5ビットのITA2コードでは、9（2進数 01001）が問い合わせ文字に割り当てられています。一方、ASCIIコードでは、十進数の5（十六進数 0x05）が割り当てられています。また、Unicodeでは、制御文字の図形表現として␅ (U+2405)が定義されています。

過去の経緯

1960年代には、DEC（Digital Equipment Corporation）がモデル33端末のアンサーバック機能を無効化しました。これは、紙テープ読み取り装置やパンチャーとのバイナリデータ処理の際に、この機能が干渉するためでした。しかし、1978年に登場したDECのVT100端末では、ユーザーが設定可能なアンサーバックメッセージを問い合わせ文字に対する応答として返す機能が復活し、その後の機種にも引き継がれました。

技術的な詳細

ASCIIとUnicodeでの表現:
十進数: 5
十六進数: 0x05
キャレット記法: ^E
Unicode制御文字図形表現: ␅ (U+2405)

関連事項

C0とC1の制御コード

外部リンク

Browser Test Page for Unicode Character 'ENQUIRY' (U+0005)
Enquiry Character from ComputerHope.com
* Enquiry character from SmartComputing.com

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