善導寺 (山県市)

善導寺について

善導寺は、岐阜県山県市谷合に位置する西山浄土宗の寺院です。本尊として阿弥陀如来を祀り、隠住山という山号を持っています。この寺院の歴史は古く、嘉暦3年（1328年）に臼井庄司郎兼牧が草庵を設けたことが始まりとされています。

寺の創建と善導大師の石像

善導寺が寺としての形を整えたのは、文和5年（1356年）のことです。立政寺の開山である智通光居上人がこの地に滞在した際、夢の中で啓示を受けました。その内容は、寺の近くに善導大師の石像が埋まっているというものでした。上人がその場所を掘ってみると、果たして石像が発見され、同時に霊水が湧き出したと伝えられています。

この発見を機に、寺は善導大師の名を冠して「善導寺」と改められました。智通上人が開山となり、寺の歴史が本格的に始まったのです。この時湧き出た霊水は「桂水」と呼ばれ、現在では岐阜県の名水50選にも選ばれています。この水は、古くから地域の人々に親しまれており、寺の重要な要素となっています。

その後の歴史と勅願道場

智通上人はその後立政寺に戻りますが、康暦年間に再び善導寺を訪れています。寺はその後も発展を続け、至徳元年（1386年）には後小松天皇から勅願道場としての地位を与えられました。これは、智通光居上人の旧跡であり、善導大師にゆかりのある寺院として、朝廷からも重要視されていたことを示しています。

善導寺は、その歴史の中で、地域の人々の信仰を集め、また名水として知られる桂水を持つ寺として、今日に至るまで大切にされています。

参考文献

山県郡教育会 『山県郡誌』 p194,195 1918年

外部リンク

桂水（けいすい）岐阜県

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